旧NISAで買った投資信託や株式を久しぶりに確認してみたら、まだマイナス。
赤い数字を見ると、気になりますよね。
「このまま持っていて大丈夫?」
「ここで売るのは、さすがにもったいない気がする」
「せめて買った金額まで戻ってから売りたい」
「でも、非課税期間が終わったらどうなる?」
旧NISAで含み損を抱えていると、こうした迷いが出てきます。
たとえば、100万円で買った商品が70万円まで下がっているケース。30万円の含み損です。
この状態で非課税期間が終わったら、30万円の損はどう扱われるのでしょうか。さらに、そのまま持ち続けて100万円まで戻った場合、税金はどうなるのか。
ここは、旧NISAを持っている方がつまずきやすいところです。
一方で、税金の仕組みを知った途端に「それなら今すぐ売ったほうがいいの?」と話を進めるのも少し早め。
40代・50代では、教育費、住宅ローン、退職、老後資金と、この先に使うお金が次々と控えています。
3年後に使う予定の100万円と、15年後の老後資金として置いている100万円では、同じ30万円の含み損でも見方が変わります。
まず制度上どう扱われるのかを確認し、その次に「自分はどうするか」を考える。
この記事では、その順番で整理していきます。
お金見直し中売ったほうがいいのか気になるんです。
でも、30万円も下がっているのを見ると、今売るのも怖くて……。
結局、動けないままなんです



含み損があると、「今売ったら損を確定してしまう」という気持ちが先に立ちますよね。
まず売るかどうかを決めるより、非課税期間がいつまでかを確認しましょう。
そのあとで、使う時期と商品の中身を見ると考えやすくなります
- 含み損のまま非課税期間が終わるとどうなるか
- 課税口座へ移ったときの「取得価額」の考え方
- 売る・持つを決める前に確認したい5つのポイント


旧NISAで含み損のまま持っているとどうなる?
旧NISAの商品が値下がりしていても、含み損が出た時点で何か手続きをする必要はありません。
気をつけたいのは、その先です。
非課税期間が終わると、商品は課税口座へ移ります。
そこで「取得価額」の扱いが変わります。
まずは、自分の商品がいつまで非課税なのか。
ここから確認していきましょう。


含み損があっても、非課税期間中はそのまま持てる
2023年までに旧NISAで買った商品は、新NISAが始まった2024年以降も、旧制度の非課税期間が続きます。
旧一般NISAは購入年から5年間、旧つみたてNISAは購入年から20年間です(金融庁「2023年までのNISA」)。
つまり、新NISAが始まったからといって、旧NISAの商品を急いで処分する必要はありません。含み損になったから非課税期間が短くなる、といったこともありません。
たとえば旧一般NISAなら、2022年に買った商品は2026年末まで、2023年に買った商品は2027年末までが非課税期間です。
旧つみたてNISAは期間がもっと長く、2023年に買った商品なら2042年まで非課税で保有できます。
| 旧NISAの種類 | 購入年 | 非課税期間 | 非課税で保有できる年 |
|---|---|---|---|
| 一般NISA | 2022年 | 5年間 | 2026年まで |
| 一般NISA | 2023年 | 5年間 | 2027年まで |
| つみたてNISA | 2023年 | 20年間 | 2042年まで |
ここで口座画面を開いたとき、最初に見てほしいのは損失額より購入した年です。
「30万円マイナスだ」と赤い数字を追いかける前に、一般NISAとつみたてNISAのどちらで買ったのか、購入年はいつか、非課税期間はいつ終わるのか。この3点を確認してみてください。
期限が今年末なのか、まだ10年以上先なのか。
これが分かると、考える時間がどのくらい残っているのかも見えてきます。
なお、旧NISAの商品は新NISAとは別枠で管理されます。
旧NISAの商品を、そのまま新NISAの口座へ移す仕組みも用意されていません。


70万円で課税口座へ移ると、その70万円が新しい取得価額になる
含み損がある方にとって、いちばん押さえておきたいのがここです。
旧一般NISAで100万円の商品を買ったとしましょう。
その後値下がりし、非課税期間が終わる時点では70万円になっていました。
この場合、商品は70万円の時価で課税口座へ移ります。
そして、その70万円が税金を計算するときの新しい取得価額になります(国税庁「譲渡した株式等の取得費」)。
| 時点 | 金額 | 税務上の扱い |
|---|---|---|
| ① 旧NISAで購入 | 100万円 | 実際の購入額 |
| ↓ | 値下がり | 30万円の含み損 |
| ② 非課税期間終了 | 70万円 | 課税口座へ移管 |
| ↓ | 70万円 | 課税口座での新しい取得価額 |
| ③ その後売却 | 100万円 | 税務上は30万円の利益 |
100万円で買った商品でも、70万円で課税口座へ移ると、70万円がその後の取得価額になります。
ここで「えっ?」と思う方もいるでしょう。
100万円で買って、100万円で売ったのなら、本人の感覚ではプラスマイナスゼロです。
ところが税務上は違います。
課税口座へ移った時点で取得価額が70万円になっているため、その後100万円で売れば、70万円から100万円まで増えた30万円が利益として扱われます。
「やっと買値まで戻った」と思って売ったのに、税金の計算では利益が出ている。
旧NISAの含み損で特に分かりにくいのは、この部分でしょう。
そのため、実際に自分が払った100万円を基準にした損益と、課税口座へ移ったあとの税務上の損益は分けて考える必要があります。



100万円で買ったのに、70万円が新しい取得価額になるところまでは分かりました。
では、私の場合は何を確認すればいいんですか?



まず、非課税期間が終わる年を確認します。
次に、その商品を期限後も持ちたいか。
そのうえで、いつ使う予定のお金かを見ます。
税金の仕組みを知ったからといって、すぐ売却を決める必要はありません



税金の話と、持ち続けるかどうかは分けて考えるんですね



そうです。税制は判断材料の一つ。
最後は、そのお金をこれからどう使うかまで含めて考えます
ただ、ここまで読むと、
「それなら70万円のうちに売ったほうがいいの?」
と思うかもしれません。
ここで税金の話から、そのまま売却の結論へ飛ぶのはおすすめしません。
その商品を今後も持ちたいのか。
いつ使う予定のお金なのか。
資産全体の中でどんな役割を持たせているのか。
税金も判断材料の一つですが、ほかにも確認したいことがあります。
旧NISAで出た損失は、ほかの利益と相殺できない
もう一つ、含み損を見たときに浮かびやすい疑問があります。
「損が出ているなら、今売って、特定口座の利益と相殺できないの?」
残念ながら、NISA口座で出た損失は損益通算の対象外です(国税庁「NISA制度」)。
たとえば、旧NISAで30万円の損失を確定し、特定口座では30万円の利益が出ていたとしても、この二つを相殺して利益をゼロにすることはできません。
翌年以降へ損失を繰り越すこともできません。
NISAでは運用益が非課税になる一方、損失が出たときは、課税口座のように税負担を軽くする材料として使えない仕組みです。
もっとも、ここから「それなら売らずに持っておこう」と決めてしまうのも早いところ。
税金の扱いが分かったら、次は家計の側から見ていきます。
値下がりしたまま持ち続ける前に確認したい5つのこと
含み損の商品を見ると、つい計算したくなります。
「あと10万円戻れば……」
「あと20%上がれば……」
気持ちはよく分かります。
ただ、40代・50代のお金を考えるとき、買値までの距離ばかり追っていると、もっと大事なことを見落としやすくなります。
確認したいのは、次の5つです。
| 確認すること | 見るポイント |
|---|---|
| ① お金を使う時期 | 3年後なのか、10年以上先なのか |
| ② 商品の中身 | 今からでも持ちたい商品か |
| ③ 非課税期間 | 終了まであと何年あるか |
| ④ 資産全体の割合 | 旧NISAが金融資産の何%を占めるか |
| ⑤ 買値へのこだわり | 「元に戻るまで待つ」が目的になっていないか |
含み損の金額を見る前に、この5つを順番に確認すると判断を整理しやすくなります。
1.そのお金を使うのは何年後か
最初に見たいのは、値下がり率より使う時期です。
同じ旧NISAの100万円でも、2~3年後の教育費として使う予定なのか、60歳から65歳までの生活費なのか、65歳以降の老後資金なのかで、取れる選択肢は変わってきます。
ここで「50代だから、そろそろ株式を減らしたほうがいい」と年齢から決める必要もありません。
たとえば55歳の方でも、そのお金を使い始めるのが65歳なら、まだ10年あります。
さらに、65歳になった日に老後資金を一括で使う家庭は少数でしょう。
70代、80代と、預貯金や年金を組み合わせながら少しずつ取り崩すケースも多く見られます。
反対に、48歳でも3年後の教育費に充てる予定なら話は変わります。
価格が戻るまで何年でも待つ、という選択は取りづらくなるでしょう。
| お金を使う予定 | 確認したいこと |
|---|---|
| 2~3年後の教育費 | 使う時期まで値動きを受け入れられるか。別に確保している預貯金はあるか |
| 5年後の住宅関連資金 | 必要額と使う時期が決まっているか。運用を続ける資金と分けられているか |
| 60~65歳の生活費 | 退職までの年数や退職金、預貯金との組み合わせをどうするか |
| 65歳以降の老後資金 | 年金収入と取り崩し開始時期、運用を続ける期間をどう考えるか |
| 当面使う予定のない資金 | 商品内容や資産全体の配分が現在の生活設計に合っているか |
含み損が30%ある。
その数字を見る前に、一度こう考えてみてください。
このお金を使い始めるのは、何年後だろう。
紙に書いてみると、意外と頭が整理されます。
2.今からでも持ちたい商品か
含み損になった商品は、手放しにくいものです。
「ここで売ったら30万円の損が確定する」
「100万円まで戻れば、損せずに済む」
そう考えているうちに、買ったときの価格が判断の中心になってしまいます。
こんなときは、少し意地悪な質問を自分にしてみてください。
もし今日、この商品を一口も持っていなかったら。
それでも今から買いたいと思うか。
投資信託なら、何に投資しているのか。
信託報酬はいくらか。
国や業種に偏りすぎていないか。
個別株なら、その一社を今後も資産の一部として持ち続けたいか。
買った当時の理由も思い出してみましょう。
「世界中の株式へ長期で分散投資したかった」という人と、「この業界は伸びそうだと思って買った」という人では、同じ30%の含み損でも話が変わります。
ここで気をつけたいのが、「長く持っていれば、そのうち戻るだろう」という考え方です。
幅広い国や企業へ分散する投資信託と、特定の会社やテーマへ集中する商品では、同じ「長期保有」という言葉でも中身がかなり違います。
買値まで戻るかを考える前に、これからも持つ理由が残っているか。
ここを確認してみてください。
3.非課税期間はあと何年残っているか
使う時期と商品を確認したら、次は旧NISAの期限です。
たとえば、30%の含み損を抱えている人が二人いるとします。
一人は旧つみたてNISAで、非課税期間がまだ10年以上残っている。
もう一人は旧一般NISAで、今年末に非課税期間が終わる。
同じ30%のマイナスでも、置かれている状況はかなり違いますよね。
非課税期間が長く残っているなら、目先の値動きに反応する前に、運用目的や商品の中身を見直す時間を取りやすいでしょう。
期限が近い人は、もう一歩先まで考えておきたいところです。
非課税期間中に売るのか。
期限後も課税口座で持つのか。
いったん売却し、新NISAで改めて運用するのか。
旧NISAの商品そのものを新NISAへ移す仕組みはないため、新NISAで持ち直すなら、一度売却して新たに購入する形になります。



それなら、旧NISAを売って新NISAで買い直せば、一番すっきりするんでしょうか?



新NISAの非課税枠を使える点は魅力ですが、それだけで決めると順番が逆になります。
たとえば3年後に使う予定のお金なら、もう一度投資に回すかは別に考えたいところです



新NISAを使えるかより、そのお金をまだ運用してよいかを見るんですね



まずそこです。その次に、新NISAの利用枠や、何を買うかを考えると整理しやすくなります
ただし、「新NISAなら非課税だから」と、そこで話を終わらせないようにしたいところです。
そもそも、その商品をこれからも持ちたいのか。
そして、その資金を今後も運用に回せるのか。
先に考えるのはこちらです。
4.その商品が資産全体のどのくらいを占めているか
旧NISAで30万円の含み損。
この「30万円」だけを見ると、かなり大きく感じる方もいるでしょう。
けれど、家計への影響を考えるには、資産全体の中で見る必要があります。
たとえば、含み損のある旧NISA商品を100万円持っているケース。
預貯金、新NISA、iDeCoなどを合わせた金融資産が3,000万円ある家庭と、金融資産500万円のうち300万円を旧NISAの商品が占めている家庭では、同じ値下がりでも重みが違います。
40代・50代なら、旧NISAの残高と一緒に、預貯金、新NISA、iDeCo、企業型DC、退職金の見込み額、住宅ローン残高、今後の教育費なども並べてみてください。
ここまで広げると、
「旧NISAの30万円をどう取り戻そう」
という見方から、
「わが家の資産の中で、この商品をどのくらい持つのがよいだろう」
という見方に変わってきます。
こちらのほうが、これからの生活を考えるうえではずっと大切です。
値動きの大きい一つの商品へ資産が偏っているなら、買値への回復を待つことより、資産全体のバランスを整えるほうを優先したい場面も出てきます。
5.「買値まで戻ったら売る」が目標になっていないか
お金の相談をしていると、よく聞く言葉があります。
「あと20万円戻れば元が取れるので、そこまでは待ちたいんです」
100万円で買ったものを70万円で手放すより、100万円まで戻ってから売りたい。
そう思うのは当然でしょう。
ただ、市場から見ると、こちらが100万円で買ったという事情は関係しません。
そこで一度、「100万円まで戻るか」という問いを脇に置いてみます。
代わりに考えたいのは、
このお金を使うのはいつか。
その時期まで、この商品を持っていたいか。
この二つです。
たとえば、老後まで15年ほどあり、資産全体の中でも無理のない範囲に収まり、今後も保有したいと考えられる分散型の商品なら、現在の含み損だけを見て慌てる必要性は低いかもしれません。
一方、数年後に使う予定のお金を値動きの大きい商品に置いたままなら、「元に戻るまで待つ」とは別に、必要な生活資金をどう確保するか考えたいところです。


旧NISAの含み損は「待つ・売る」の二択にしない
ここまで見てくると、含み損が出たときに「売る? 持つ?」と二択で考えるほど、かえって判断しづらくなることが分かります。
大切なのは、非課税期間と、お金を使う時期を一緒に見ること。
ここからは、期限までの長さに分けて整理してみましょう。
非課税期間がまだ長く残っている場合
旧つみたてNISAなどで非課税期間が長く残っている方は、まず使う時期を確認します。
次に商品内容。
さらに資産全体の配分を見て、最後に非課税期間を確認する。
この順番が考えやすいでしょう。
「含み損になっている」という一点から、長期の資産形成計画をすぐに変える必要はありません。
一方で、「NISAで買った商品だから持ち続ける」と決める必要もありません。
買った当時と今とでは、家計の景色が変わっていることも多いものです。
子どもの進学予定が変わった。
住宅購入を考え始めた。
予定より早く退職することになった。
親の介護にお金がかかりそう。
こうした変化が起きれば、お金を使う時期も変わります。
商品を見る前に、まず今の生活予定を確認する。
40代・50代では、この順番がかなり重要になってきます。
非課税期間の終了が近い場合
旧一般NISAなどで非課税期間の終了が迫っているなら、「買値に戻ってから考えよう」と先送りせず、期限後の置き場所を確認しておきましょう。
| 選択肢 | まず確認したいこと | 特に注意したい点 |
|---|---|---|
| 非課税期間中に売却する | 近いうちに使う資金か、今後も持ちたい商品か | NISA内で確定した損失は損益通算に使えない |
| 課税口座で保有を続ける | 今後もその商品を保有したいか | 移管時の時価が新しい取得価額になる |
| 売却して新NISAで投資する | 今後も運用に回せる資金か | 旧NISAの商品をそのまま新NISAへ移すことはできない |
ここで気をつけたいのは、「どれがいちばん税金で得か」から考え始めることです。
たとえば、新NISAで運用し直せば、その後の運用益は非課税の対象になります。
だからといって、3年後に住宅購入へ使う予定のお金まで再び投資へ回すのが自分の生活に合うとは限りません。
NISAの枠を使い切ることが家計のゴールではありません。
そのお金をいつ、何のために使うのか。
ここが先です。
迷ったら、まず3つを書き出してみる
旧NISAの口座画面を何度見ても、含み損の数字は同じです。
迷っているときは、赤い数字を眺め続けるより、紙やメモアプリに次の3つを書いてみてください。
- このお金を使う時期
- 旧NISAの非課税期間が終わる年
- 今からでも持ちたい商品か
40代・50代なら、さらにもう一つ。
退職したあと、生活費をどの資産から取り崩す予定か。
ここまで考えてみると、見え方が変わることがあります。
預貯金、新NISA、旧NISA、iDeCo、企業型DC、退職金。
それぞれを別々の箱として見ると複雑ですが、退職前後のお金の流れとして並べてみると、「旧NISAはいつまで運用できそうか」「この商品を今持ち続ける意味は何か」が整理しやすくなります。



いろいろ確認することが出てきました。
結局、今日やるなら何から始めればいいですか?



まず証券口座で、旧NISAの購入年と非課税期間の終了年を確認しましょう。
次に、そのお金を使う予定の時期を書き出します。
最後に、「今からでもこの商品を持ちたいか」を考えてみてください



売るか持つかを決めるのは、そのあとでいいんですね



その順番のほうが、含み損の金額に引っ張られにくくなります
まとめ|含み損の大きさより、これからの持ち方を確認する
旧NISAで含み損を抱えると、「ここで売ったら損」「買値まで戻ってから考えたい」という気持ちが出てきます。
まず知っておきたいのは制度上の扱いです。
NISA内で確定した損失は、課税口座の利益との損益通算や繰越控除には使えません。
また、含み損のまま非課税期間を終えて課税口座へ移ると、その時点の時価が新しい取得価額になります。
旧NISAの商品を新NISAへ直接移す仕組みもありません。
そのうえで考えたいのが、いつ使うお金なのか、今後も持ちたい商品なのか、資産全体の中でどのくらいを占めているのかです。
40代・50代では、退職時期や年金、退職金、預貯金、住宅ローンと一緒に見ることで、旧NISAをどこまで運用に回せるのかが見えやすくなります。
「30万円の損をどう取り戻すか」から考え始めると、視野が狭くなりがちです。
それよりも、
これからの生活で、この資産をいつ、どう使うのか。
そこへ視点を移してみてください。
よくある質問
旧NISAで含み損のまま非課税期間が終わるとどうなりますか?
含み損のまま旧NISAの非課税期間が終わると、商品は課税口座へ払い出されます。
その際、課税口座での新しい取得価額は、払い出された時点の時価です。
100万円で買った商品が70万円で移り、その後100万円で売れた場合、税務上は70万円から100万円へ増えた30万円が利益として扱われます。
まず購入年と非課税期間の終了年を確認しておきましょう。
買値まで戻ってから売れば、損はゼロと考えてよいですか?
非課税期間終了後に課税口座へ移っている場合は、買値まで戻っても税務上の利益が生じることがあります。
たとえば100万円で買った商品が70万円で課税口座へ移れば、新しい取得価額は70万円。
その後100万円で売ると、税務上は30万円の利益です。
「買値まで戻るか」より、使う時期や、この先もその商品を持ちたいかを先に確認すると判断を整理しやすくなります。
旧NISAで損切りすると、特定口座の利益と損益通算できますか?
旧NISAで売却して確定した損失は、特定口座や一般口座の売却益・配当などとの損益通算には使えません。
翌年以降への繰越控除も対象外です。
そのため、「損が出ているうちに売れば税金を減らせる」と考えると制度上の扱いとずれてしまいます。
一方、損益通算に使えないことを理由に保有を続けるのも別の話。
資金を使う時期や商品の中身も一緒に確認しましょう。
課税口座へ移ったあとも持ち続ける場合、売る時期はどう考えますか?
課税口座へ移ったあとは、旧NISAでの買値に引っ張られすぎず、今後その商品を持ちたいか、いつ資金を使うかを基準に考えます。
退職後まで運用できる資金なのか、数年以内に使う予定なのかでも確認事項は変わります。
さらに、預貯金、新NISA、iDeCo、退職金などと合わせ、値動きのある資産をどの程度持つかまで見ると、売却時期を考えやすくなります。
旧NISAで含み益が出ている場合も、期限前に売ったほうがよいですか?
含み益が出ている旧NISAでは、含み損のケースとは確認したい点が変わります。
非課税期間中の値上がり益は非課税ですが、期限が近いなら、いつ使う資金か、今後もその商品を持ちたいか、新NISAで運用を続けるかを整理しておきたいところです。
「利益が出ているから今売る」と急いで決める前に、利益確定前の確認ポイントを整理してから考えるとよいでしょう。





