「旧NISAで積み立てた投資信託、そのまま残っているけれど……何か手続きしたほうがいい?」
新NISAが始まってから、以前のNISAをほとんど見ていない。
そんな方もいるのではないでしょうか。
先に結論をお伝えすると、旧NISAで積み立てた資産は、新NISAが始まったからといって急いで売る必要はありません。
非課税期間が続いている間は、そのまま保有できます。
ただ、ずっと見ないままでよいかというと、一度は口座を開いて確認しておきたいところです。
見るポイントは、意外とシンプル。
「何年に買った資産か」
「そのお金をいつ使うつもりか」
この2つです。
この記事でいう「旧NISA」は、2023年までの「つみたてNISA」と「一般NISA」で保有している資産を指します。
名前は似ていますが、非課税で持てる期間には大きな差がついています。
特に旧一般NISAを使っていた方は、購入した年を一度確認してみてください。
2022年に購入した分は2026年末、2023年に購入した分は2027年末で非課税期間が終了します。
一方、2023年に旧つみたてNISAで購入した商品なら、2042年まで非課税で保有できます。
「何年も見ていなかった。まずかったかな」と心配になった方も、慌てなくて大丈夫。
最初に現在地を確認しましょう。
そのうえで、これからの暮らしにその資産をどう組み込むか。
40代・50代のNISAは、ここまで考えてこそ意味が出てきます。
お金見直し中新NISAの積立は続けているんですけど、旧NISAは何年もほとんど見ていなくて。
今さら確認して、何かまずいことが見つかったらと思うと、ちょっと怖いです



まずいことを探すというより、『今どうなっているか』を確認する感覚で大丈夫です。
旧NISAは、しばらく見ていなかったこと自体より、購入年と使う時期を知らないままにしておくほうが判断しにくくなります



じゃあ、いきなり売るかどうかを決めなくてもいいんですね



はい。まずは口座の種類と購入年。そこからで十分です
- 旧NISAをそのまま持っていてよいか
- 非課税期間が終わる時期と、その後の扱い
- 売る・持つ・新NISAで買い直すときの判断ポイント
- 40代・50代が年金や退職金も含めて考えたいこと
旧NISAは放置したままでも大丈夫? まず知っておきたい現在の扱い
旧NISAについて最初に押さえたいのは、新NISAが始まったからといって、以前買った商品が消えたり、突然課税されたりする仕組みではないという点です。
2023年末で旧制度を使った新規購入は終了しました。
それまでに購入した商品については、それぞれに決められた非課税期間が終わるまで、旧制度の口座で保有できます。
ここまでは、さほど難しくありません。
少しややこしくなるのが、「つみたてNISA」と「一般NISA」で期限が違うことです。
まず確認したいのは「どちらの旧NISAか」
違いを簡単に整理してみましょう。
| 旧つみたてNISA | 旧一般NISA | |
|---|---|---|
| 新規買付 | 2023年で終了 | 2023年で終了 |
| 非課税期間 | 購入年から20年間 | 購入年から5年間 |
| そのまま保有 | 可能 | 可能 |
| 2024年以降のNISAへの移管 | 不可 | 不可 |
ここで気になるのが、新NISAの1,800万円という非課税保有限度額との関係でしょう。
旧NISAで保有している資産は、2024年以降のNISAとは別枠で管理されます(金融庁「2023年までのNISA」)。
たとえば旧NISAに300万円分の資産が残っていたとしても、
「1,800万円-300万円=新NISAで使えるのは1,500万円」
という計算にはなりません。
旧NISAにある資産とは別に、2024年以降のNISAでは最大1,800万円の非課税保有限度額を使えます。
このうち成長投資枠は1,200万円が上限です。
数字が出てくると、つい「今いくら儲かっているか」を先に見たくなりますよね。
でも、先に見ておきたいポイントは別にあります。
証券会社の口座にログインしたら、まず見るのは次の2点です。
「旧つみたてNISAか、旧一般NISAか」
「何年に購入した分か」
評価額が上がっているか、下がっているか。その確認は次で十分です。
昔のNISAが新NISAへ自動で切り替わったわけではない
相談の場でも、ときどきこんな質問を受けます。
「新NISAが始まったとき、前のNISAも自動で新しい制度に移ったんですよね?」
ここは勘違いしやすいところです。
旧NISAと2024年以降のNISAは、それぞれ別に管理されています。
旧NISAで持っている商品を、そのまま新NISAへ移す仕組みは用意されていません(金融庁「2023年までのNISA」)。
旧NISAで新たな買付けをすることも、2024年以降はできません。
一方で、以前買った商品を持ち続けることも、非課税期間中に売却することもできます。
たとえば、
「新NISAでは毎月3万円を積み立て中。旧つみたてNISAで買った投資信託も、そのまま保有している」
という状態。
こうした形で保有を続けている方も、よく見られます。
口座画面に「旧NISA」「新NISA」と並んで表示されると、何となく片方を整理したくなるかもしれませんね。
とはいえ、画面をすっきりさせるために資産まで売る必要はありません。
見るべきところは、口座の見た目よりも「この資産を、これからの暮らしの中でどう使うか」です。
ここからは、その判断に必要な5つのポイントを順に確認していきます。
旧NISAの積立投資で今確認したい5つのこと
旧NISAを開いたら、この順番で確認
- 種類と購入年 いつまで非課税か
- 商品と現在額 何をいくら持っているか
- 使う時期 何年後に必要になるか
- 非課税期間終了後 課税口座へ移るとどうなるか
- 家計全体 年金・退職金・預貯金などとどう組み合わせるか
1.旧NISAの種類と「何年に買った分か」
「利益が何%出ているか」は気になります。
ただ、最初に目を向けたいポイントは別のところです。
まず確認したいのは、口座の種類と購入年です。
旧つみたてNISAは購入年から20年間、旧一般NISAは5年間が非課税期間(金融庁「2023年までのNISA」)。
たとえば、こうなります。
- 2022年の一般NISA → 2026年末まで
- 2023年の一般NISA → 2027年末まで
- 2019年のつみたてNISA → 2038年末まで
- 2023年のつみたてNISA → 2042年末まで
同じ「昔のNISA」でも、残っている時間はかなり違います。
2026年時点で見ると、旧一般NISAで2021年以前に購入した分は、すでに5年間の非課税期間を終えています。
売却せず保有を続けていれば、課税口座へ移っている商品もあるでしょう。
一方、旧つみたてNISAなら、非課税期間が10年以上残っているケースも珍しくありません。
ここを確認せずに、
「旧NISAだからそろそろ売ったほうがいいかな」
と考えると、少し話が早いのです。
証券会社の画面で「口座区分」「買付年」「預り区分」といった項目を確認してみてください。
表示が分かりにくければ、証券会社に問い合わせても構いません。
数分確認することで、その後の判断がしやすくなります。


2.何を持っていて、今いくらになっているか
購入年が分かったら、次は中身を見ます。
確認したいのは、次のような項目です。
- 商品名
- 現在の評価額
- 投資した元本
- 含み益・含み損
- 株式中心の商品か、債券などを含むバランス型か
- 新NISAでも同じ商品を買っているか
ここで気をつけたいのが、含み益・含み損に気持ちを引っ張られすぎることです。
「30万円増えている。今のうちに売ろう」
反対に、
「20万円減っている。元に戻るまで売りたくない」
こう考えたくなる気持ちはよく分かります。
ただ、資産運用の判断としては、もう一歩先まで見たいところです。
私が相談でよく確認するのは、こんな問いです。
買ったときと今とでは、生活やお金の使い方も変わっているかもしれません。
それでも、この商品を持ち続けたいと思えるでしょうか?
過去に買ったときの判断より、これから持ち続ける意味を見直すためです。
たとえば45歳で、65歳以降の老後資金として積み立ててきたお金なら、使うまで20年ほど見込めます。
一方、58歳で「60歳になったら住宅ローンを一部返済しよう」と考えているなら、使う時期は2年後。
同じ株式型の投資信託でも、この2人が取るべき選択は変わってきます。
商品の良し悪しを考える前に、その商品を持つ目的をもう一度確認する。
ここが分かれ目です。
3.そのお金を「いつ使う予定か」
旧NISAをどうするか相談を受けたとき、私はこの部分をかなり重く見ます。
「売るか、持つか」を考える前に、「何年後に使うか」を決める。
この順番です。
たとえば45歳で、旧つみたてNISAの資産を65歳以降の生活資金に回す予定なら、まだ20年ほど運用期間を取れます。
近い将来に使うお金を預貯金で確保できていて、値動きも受け入れられる。
そうした家計なら、40代後半になったという年齢を基準に慌てて売る必要性は高くないでしょう。
では、53歳で65歳退職予定ならどうでしょう。
この年代になると、旧NISAの残高を見るときに、ほかのお金も一緒に並べたほうが判断しやすくなります。
預貯金、新NISA、企業型DC、iDeCo、退職金、公的年金。
さらに住宅ローンが残っているなら、その残高も確認しておきたいですね。
たとえば、
「60〜64歳は預貯金と退職金を中心に使う」
「65歳から公的年金を受け取る」
「NISAは70代以降にも残しておく」
こんなふうに、使う順番が見えてくると、旧NISAを今売る必要があるかも判断しやすくなります。
一方、58歳で60歳に住宅ローンを300万円ほど繰上返済したいというケース。
こちらは見方が変わります。
2年後に使う予定の300万円まで値動きの大きい資産に置いているなら、「非課税だから持ち続けよう」と考えるより、必要な時期に必要な金額を用意できる状態を優先したほうがよいでしょう。
50代になったら投資をやめる。
そんな年齢の線引きで考える必要はありません。
何歳かより、何年後に使うか。
ここを基準にすると、NISAの扱いはかなり整理しやすくなります。
旧NISAをどうするかは「年齢」より「使う時期」から考える
① このお金はいつ使う?
↓
② その時まで価格変動を受け入れられる?
↓
③ 近い将来に使う現金は別に確保できている?
↓
持ち続ける・現金化する・新NISAで運用するかを検討
4.非課税期間が終わるとどうなるか
「非課税期間が終わったら、それまでの利益にまとめて税金がかかるの?」
この疑問はよく聞きます。
結論からいうと、実際の仕組みは少し違います。
非課税期間が終わった商品を売らずに持ち続ける場合、課税口座へ移ります。
その際、移った時点の時価が、課税口座での新しい取得価額になります。
(国税庁「No.1464 譲渡した株式等の取得費」)
数字で見たほうが分かりやすいでしょう。
50万円で買った投資信託が、非課税期間終了時には80万円になっていたとします。
売らずに課税口座へ移ると、80万円が新しい取得価額です。
その後100万円で売却した場合、課税対象となる利益は原則、
100万円-80万円=20万円
となります。
50万円から80万円へ増えた30万円には、あとからさかのぼって税金がかかることはありません。
ここまでは比較的イメージしやすいと思います。
少し注意したいのは、値下がりした状態で非課税期間を終えるケースです。
100万円で購入した商品が、非課税期間終了時には80万円まで下がっていたとします。
課税口座へ移ると、新しい取得価額は80万円。
その後価格が戻り、100万円で売却すると、
100万円-80万円=20万円
が課税上の利益になります。
「100万円で買って、100万円で売ったのに利益扱いになるの?」
ここは引っかかりやすいところですね。
ポイントは、課税口座へ移った時点で「80万円で取得した」という扱いになることです。
特に旧一般NISAで含み損を抱えていて、非課税期間の終了が近い方は、この仕組みを理解したうえで今後の保有を考えておきたいところです。
| ケース | 旧NISAで購入 | 課税口座へ移る時 | その後売却 | 課税上の利益 |
|---|---|---|---|---|
| 値上がり | 50万円 | 80万円 新しい取得価額 | 100万円 | 20万円 |
| 値下がり | 100万円 | 80万円 新しい取得価額 | 100万円 | 20万円 |
※非課税期間終了後に課税口座へ払い出された場合、払出し時の時価が新しい取得価額になります。



仕組みは分かってきました。
でも、結局、自分の旧NISAでは何を見ればいいんでしょう?



まず「非課税期間がいつ終わるか」です。
次に、今の評価額が買ったときより上か下か。
この2つを確認してみてください



含み損だったら、非課税期間が終わる前に売ったほうがいいですか?



そこは含み損だけでは決めません。
そのお金をいつ使うか、今後もその商品を持ちたいかまで見てからです。
期限が近いことは「売却の合図」というより、「見直すタイミング」と考えると整理しやすいですよ
5.新NISA・預貯金・年金・退職金と一緒に考えたか
ここまで確認したら、一度、旧NISAの画面から目を離してみましょう。
40代・50代では、旧NISA単体で答えを出そうとすると、かえって判断しづらくなることがあります。
見たいのは、家計全体です。
たとえば、
- 新NISAで毎月いくら積み立てているか
- 預貯金はいくら確保できているか
- 退職金はいくら見込めそうか
- 企業型DC・iDeCoはいくらあるか
- 公的年金はいくら受け取れそうか
- 住宅ローンはいくら残っているか
- 退職前後に住宅修繕、車の買替え、子どもの支援などを予定しているか
こうした数字を一度並べると、旧NISAの役割が見えてきます。
たとえば旧つみたてNISAと新NISAの両方で、同じインデックスファンドを持っているケース。
「同じ商品が2つに分かれていて見づらいから、1つにまとめたい」
そう思うかもしれません。
けれど、旧NISAの資産は現行NISAの1,800万円の非課税保有限度額とは別枠です。
口座表示をすっきりさせる目的で、急いで手放す必要はないでしょう。
反対に、預貯金が少なく、2〜3年以内に使う予定のお金まで投資に回っているなら話は変わります。
非課税期間が残っていることより、近い将来の支払いに備えられているかを優先したい場面です。
NISAは税制上有利か。
もちろん大切な視点です。
でも40代・50代では、その前に一つ確認したい。
「自分は、いつ、いくら必要になるのか」
ここが決まると、投資を続けるお金と、現金へ戻しておくお金を分けやすくなります。
旧NISAは売る? 持ち続ける? 新NISAで買い直す? 判断の目安
ここまで見てきた内容をもとに、最後は行動へ落とし込みましょう。
どの選択が合うかは、人によって変わります。
家計の状況や使う時期によって、選び方は変わります。
そのまま保有しやすいケース
たとえば、次のような状況なら、旧NISAの資産をそのまま保有する選択は取りやすいでしょう。
- 非課税期間がまだ十分に残っている
- 10年以上使う予定がない
- 今持っている商品が運用目的に合っている
- 数年以内に使う資金は預貯金などで確保できている
旧つみたてNISAは、長期・積立・分散による資産形成を前提とした制度です。
新NISAが始まったからといって、旧つみたてNISAの商品まで急いで処分する必要はないでしょう。
特に、老後まで時間を取れる人にとっては、残っている非課税期間も貴重です。
売却を考えてもよい場面
一方、こんなケースなら売却を検討する余地が出てきます。
- 数年以内に使う予定が決まっている
- 投資資産の割合が家計全体の中で高くなっている
- 退職前後の生活費として現金を厚めに用意したい
- 保有している商品が現在の運用方針に合わなくなった
旧一般NISAの非課税期間終了が近い方も、一度口座を見直すよいタイミングでしょう。
ただし、
「非課税期間が終わるから全部売る」
と機械的に決める必要もありません。
課税口座へ移したあと、そのまま保有を続ける選択もできます。
考えたいのは、「税金がどうなるか」に加えて、この資産をこれからも持つ意味が自分にあるかです。
新NISAで買い直すなら、先に枠と家計を確認する
「この先も運用するなら、旧NISAを売って新NISAで買い直したほうがよいのでは?」
そう考える方もいるでしょう。



新NISAは非課税期間が無期限なんですよね。
それなら、旧NISAは売って全部新NISAで買い直したほうが得じゃないですか?



そう考えたくなりますよね。
ただ、新NISAで買い直すと、その年の投資枠を使います。
旧NISAにまだ非課税期間が残っているなら、急いで移すことが有利とは限りません



では、何を比べればいいでしょう?



旧NISAの残りの非課税期間、新NISAの枠を今後どう使いたいか、それから数年以内に使う現金。
この3つです。
「新しい制度だから移す」より、これからのお金の使い道を先に見たいですね
ここで押さえておきたいのは、旧NISAの商品を新NISAへ直接移すことはできないという点です。
新NISAで持ち直したい場合は、
旧NISAの商品を売却
↓
新NISAであらためて購入
という2つの取引になります。
新NISAで買い直した金額は、その年の年間投資枠を使います。
現在のNISAでは、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円。
併用すれば年間最大360万円まで投資できます。
とはいえ、
「新NISAは非課税期間が無期限だから、旧NISAから全部移したほうが得」
と決めるのは少し急ぎすぎです。
今後の新NISA枠を何に使うのか。
数年以内に必要になる現金はいくらか。
退職金や年金で、どこまで生活費を賄えるのか。
このあたりまで一緒に見てから決めたいですね。



いろいろ確認することは分かりました。
でも、今日ひとまず何をすればいいですか?



まず証券口座を開いて、旧NISAの種類と購入年を確認してください。
次に、そのお金を何年後に使いたいかを考える。
この2つで十分です



売るかどうかは、そのあと?



そのあとです。
預貯金、退職金、年金、住宅ローンなども並べてみて、旧NISAを今後どんな役割にするか決めましょう。
順番を逆にしないことが大切です
まとめ|旧NISAは「放置していたか」より、これから使う時期を見る
旧NISAを何年か確認していなかったとしても、最初から売却を急ぐ必要はありません。
確認したいのは、次の5つです。
- 旧つみたてNISAか、旧一般NISAか
- 何を、いくら持っているか
- そのお金をいつ使う予定か
- 非課税期間はいつ終わるか
- 新NISA・預貯金・年金・退職金とどう組み合わせるか
40代・50代になると、NISAの残高を眺めるだけでは答えが出にくくなってきます。
退職まであと何年か。
年金はいくら見込めるか。
退職金はどう使うか。
住宅ローンはいくら残っているか。
手元の預貯金で、数年先までどこまで備えられるか。
こうしたお金を一枚の地図のように並べてみると、旧NISAに任せる役割も見えやすくなります。
「昔いくらで買ったか」も確認したい数字です。
ただ、それ以上に大事なのが、
このお金を、これから何のために、いつ使うのか。
そこが決まれば、持ち続けるのか、現金へ戻すのか、新NISAで運用を続けるのか。
次の一手も、ぐっと選びやすくなるはずです。
よくある質問
旧NISAで損失が出た場合、ほかの株や投資信託の利益と相殺できますか?
できません。
NISA口座で生じた損失は税務上、損失として扱われないため、特定口座や一般口座で出た売却益や配当との損益通算はできません。
翌年以降へ損失を繰り越す「繰越控除」も対象外です(金融庁「NISA早わかりガイドブック」)。
そのため、含み損が出ている旧一般NISAでは「損を確定すれば節税になる」と考えず、保有目的や今後使う時期を基準に売却を判断したいところです。
旧NISAの商品を売ると、新NISAの1,800万円の枠が増えますか?
増えません。
旧NISAで購入した資産は、2024年以降のNISAの1,800万円とは最初から別枠で管理されています。
そのため、旧NISAの商品を売却しても、新NISAの非課税保有限度額が増える仕組みにはなっていません。
現行NISAでは、現行NISAで購入した商品を売却すると、その商品の取得金額分を翌年以降に再利用できます(金融庁「NISAを知る」)。
旧NISAと現行NISAは分けて考えましょう。
旧NISAの非課税期間が終わる前に、必ず売ったほうがよいですか?
必ず売る必要はありません。
非課税期間が終わった商品をそのまま保有する場合は、特定口座や一般口座などの課税口座へ払い出されます。
その後も保有を続けることは可能です。
判断するときは「非課税が終わるから売る」と考えるより、その商品を今後も持ちたいか、何年後に使う予定か、生活費に必要な現金を別に確保できているかまで見たほうがよいでしょう。
旧つみたてNISAの商品を、そのまま新NISAへ移すことはできますか?
そのまま移すことはできません。
旧つみたてNISAや旧一般NISAの商品は、それぞれ旧制度の非課税期間が終わるまで保有できますが、2024年以降のNISAへロールオーバーする仕組みはありません。
新NISAで同じ商品を持ちたい場合は、旧NISA側の商品を売却し、新NISAで改めて購入する形になります。
その際、新NISAでの購入分は年間投資枠を使います。
50代になったら、旧NISAは少しずつ現金にしたほうがよいですか?
「50代」という年齢だけを基準に現金化する必要はありません。
同じ55歳でも、58歳で住宅ローン返済に使う人と、70歳以降の生活費として残したい人では判断が変わります。
先に確認したいのは、使う時期と必要額です。
さらに預貯金、退職金、公的年金、企業型DCやiDeCoなどを並べ、近い将来の支出を現金で賄えるかを確認すると、旧NISAをどこまで残すか考えやすくなります。



