旧NISAの利益は今売るべき? 利益確定前に確認したい5つのこと

旧NISAの利益は今売るべき? 利益確定前に確認したい5つのこと

旧NISAで買った投資信託や株。
久しぶりに口座を開いてみたら、思っていた以上に増えていた。

「こんなに利益が出ていたんだ」

うれしくなる一方で、今度は別の迷いが出てきます。

「利益が出ているうちに売ったほうがいい?」
「このまま持っていて、値下がりしたら後悔しそう」
「非課税期間が終わる前に売らないと、今までの利益にも税金がかかる?」

旧一般NISAを持っている方なら、購入した年によっては非課税期間の終了も近づいています。
新NISAも始まり、「旧NISAはそろそろ整理したほうがいいのかな」と気になっている方もいるでしょう。

ここでいったん分けて考えたいのが、「利益が出ていること」と「今が自分にとって売る時期なのか」という2つの話です。

30万円増えた。50万円増えた。2倍近くになった。

金額を見ると、どうしてもそこに目が行きます。
でも、40代・50代のお金を考えるときは、その先まで見ておきたいところです。

このお金はいつ使う予定なのか。
老後まで何年あるのか。
預貯金はどのくらい確保しているのか。
新NISAやiDeCo、企業型DCでは何を持っているのか。

50代なら、住宅ローンの残高や退職時期、退職金の見込みも気になりますね。

旧NISAの画面に表示された「プラス〇万円」を見て売却を決めるより、これからの暮らしと並べて考えたほうが、判断はずっとしやすくなります。

この記事では、旧NISAで利益が出ているときに何を確認すればよいのか。
制度の仕組みと、40代・50代の生活設計の両面から整理していきます。

お金見直し中

利益が出ているのを見るとうれしいんですけど、今度は「減る前に売ったほうがいいのかな」って気になってしまって。
売らずに持っていて、あとで後悔するのも嫌なんですよね

専門家

そこがいちばん迷うところですね。
ただ、「今の利益を逃したくない」という気持ちと「今、このお金を売る時期か」は分けて考えたほうが整理しやすいです

お金見直し中

売るかどうかは、利益の額を見て決めるわけじゃないんですね

専門家

そうですね。
まず非課税期間、その次に使う時期。
ここを確認すると、今売る必要があるかが見えやすくなります

この記事でわかること
  • 旧NISAで利益が出ていても急いで売る必要があるのか
  • 非課税期間が終わったあとの利益と税金の扱い
  • 「持つ・売る・一部売る」を決めるときに確認したいこと
  • 新NISAへ買い直す前に考えておきたいこと
目次

旧NISAで利益が出ていても、急いで売る必要はない

最初に押さえておきたいことがあります。

旧NISAで利益が出ているという一点から、急いで売却する必要はありません。

2023年までの一般NISAやつみたてNISAで買った商品は、新NISAが始まったあとも、それぞれの非課税保有期間が続きます。

「ここまで増えたなら、一度売って利益を確定したほうが安心かな」

そう考えたくなるのも無理はありません。

たしかに、売ればその時点の利益は確定します。

ただ、「この先下がりそうだから売ろう」「まだ上がりそうだから持とう」と相場の先行きを当てにいくと、途端に難しくなります。
相場がその後どう動くかは、誰にも正確にはわかりません。

それなら先に、わかることを確認する。

非課税期間はいつまでか。
売らずに持っているとどうなるか。
そのお金はいつ使うのか。

この順番で見ていくと、判断材料がかなり整理されます。

旧NISAの非課税期間は、新NISA開始後も続いている

2023年までのNISAには、一般NISAとつみたてNISAがありました。

一般NISAの非課税保有期間は5年間、つみたてNISAは20年間です(金融庁「2023年までのNISA」)。

2024年から新NISAが始まったため、「旧NISAも2023年末で全部終わった」と受け取っている方もいますが、保有していた商品の非課税期間はそのまま続いています。

たとえば、一般NISAで2022年に買った商品なら2026年まで、2023年に買った商品なら2027年まで非課税で保有できます。

一方、つみたてNISAは購入年から20年間。
2023年に買った分なら、2042年までが非課税保有期間です。

ここはかなり差が出ます。

同じ2022年購入でも、

「一般NISAで買った商品」

「つみたてNISAで買った商品」

では、これから使える非課税期間が大きく違うからです。

証券会社の口座を開いたとき、つい最初に「いくら増えたか」を見たくなりますよね。

その数字を見る前に、もう一つ確認してみてください。

一般NISAか、つみたてNISAか。
何年に買った商品か。

売るか持つかを考えるなら、まずここからです。

旧NISAの非課税期間を確認

制度非課税期間2022年購入分2023年購入分
一般NISA5年間2026年まで2027年まで
つみたてNISA20年間2041年まで2042年まで

※2023年までに購入した商品は、新NISAとは別枠で管理されます。

非課税期間が終わっても、それまでの利益にさかのぼって課税されるわけではない

旧NISAについて相談を受けると、よく出てくるのがこの疑問です。

今50万円くらい利益が出ています。
非課税期間が終わったら、この50万円にも税金がかかるんですか?

数字を入れて見てみましょう。

旧NISAで100万円の商品を買い、非課税期間が終わる時点で150万円になっていたとします。

売却せず、特定口座や一般口座などの課税口座へ移る場合、その時点の150万円が、その後の取得価額になります(国税庁「譲渡した株式等の取得費」)。

流れにすると、こうです。

100万円で購入
 ↓
旧NISAの中で150万円まで値上がり
 ↓
150万円で課税口座へ移る

旧NISAで増えた50万円について、あとから税金を計算し直す扱いにはなりません。

その後さらに値上がりして160万円で売ったとしましょう。

この場合、課税上の譲渡益を考える基礎となるのは、課税口座へ移った時点の150万円と、売却した160万円との差です。

ここを知らないと、

「今50万円も利益が出ている。年末までに売らないと税金を取られてしまう」

と焦ってしまいます。

非課税期間の終了が近づいたら、「今までの利益を守るために急いで売る」と考えるより、課税口座へ移ったあとも、この商品を持ち続けたいかを考えてみてください。

そのほうが、売却するかどうかの判断につながります。

旧NISAで100万円購入し、非課税期間終了時に150万円へ値上がり、その後150万円で課税口座へ移管し、160万円で売却した場合の流れを示した図。旧NISA内で増えた50万円は非課税で、課税口座では150万円が新しい取得価額となり、その後の150万円から160万円までの値上がり分をもとに譲渡益を考えることを説明している。
旧NISAで増えた利益は、非課税期間終了後にどう扱われる?

旧NISAの商品を新NISAへそのまま移すことはできない

もう一つ、よく迷うのが新NISAとの関係です。

「旧NISAで利益が出ているなら、その商品を新NISAへ移せばいいのでは?」

そう考えたくなりますが、旧NISAの商品を新NISAへ直接移す仕組みは用意されていません。

旧NISAの商品を売り、その資金を使って新NISAで改めて買うことはできます。
ただ、旧NISAから新NISAへ商品そのものを移すロールオーバーはできません。

ここでもう一つ確認しておきたいことがあります。

旧NISAで保有している資産は、新NISAの非課税保有限度額1,800万円とは別枠です。

つまり、

「旧NISAに300万円残っているから、新NISAで使える枠が300万円減っている」

という扱いにはなりません。

旧NISAを持っていることを理由に、新NISAのために急いで売る必要もないということですね。

お金見直し中

新NISAのほうが制度として新しいなら、旧NISAはいったん売って、新NISAにまとめたほうがいいのかと思っていました

専門家

そう考えたくなるところですが、旧NISAの保有額は、新NISAの1,800万円の枠とは別に管理されます。
急いで整理する必要はないんです

お金見直し中

じゃあ、新NISAが始まったこと自体は売却理由にならない?

専門家

その通りです。
売るなら、「新NISAが始まったから」より、「このお金を近く使う」「今後は別の運用に変えたい」といった自分側の理由を確認したいですね

旧NISAと新NISAの違いを並べて示した比較図。旧NISAは2023年までに購入した商品で、旧制度の非課税期間が終わるまで保有でき、新NISAとは別枠で管理される。新NISAは2024年からの制度で、非課税保有限度額は最大1,800万円。旧NISAの商品をそのまま新NISAへ移すことはできず、旧NISAの保有額は新NISAの1,800万円枠には含まれないことを説明している。
旧NISAと新NISAは別枠で考える

新NISAが始まったから旧NISAを片づける、と考えるより、旧NISAは旧NISA、新NISAは新NISA
それぞれのお金に役割を持たせるほうが分かりやすいでしょう。

売るか持つか。「利益の大きさ」より先に見たい5つのこと

では、旧NISAで30万円、50万円、100万円と利益が出ていたら、何を見て決めればよいのでしょう。

「20%上がったら売る」
「50万円儲かったら利益確定する」

こうした線引きがあれば、たしかに迷わずに済みそうです。

でも、40代・50代のお金は、そこまで単純に切り分けにくいもの。

45歳で、老後までまだ20年近く運用する人。
58歳で、3年後には退職し、その後の生活費に使う人。

どちらも「100万円の利益」が出ていたとしても、その100万円が持つ意味はかなり違います。

私なら、次の5つを順番に見ます。

旧NISAで利益が出ているときに、売る前に確認したい5項目を示した図。確認項目は、1.非課税期間、2.使う時期、3.資産全体、4.保有する意味、5.新NISAの資金。利益の大きさだけで判断せず、非課税期間があと何年あるか、このお金をいつ使うか、資産全体のバランス、今後も保有したい商品か、新NISA用の資金を別に用意できるかを順番に確認する考え方をまとめている。
旧NISAを売る前に、順番に確認したい5つのこと

1.非課税期間はあと何年残っているか

まず見るのは、利益の額より非課税期間です。

旧一般NISAの場合、2026年現在、2022年に買った商品の非課税期間終了が近づいています。

一方、つみたてNISAなら、購入年によってはこの先10年以上、非課税で持てるケースも珍しくありません。

まず証券会社のサイトやアプリで、

「一般NISAか、つみたてNISAか」
「何年に買った商品か」

を確認してみましょう。

一般NISAなら購入年を含めて5年間。つみたてNISAなら20年間です。

「かなり増えたから、そろそろ売ったほうがいいかな」と考える前に、まだ何年使える制度なのかを知っておく。

それだけでも、少し冷静に考えられるようになります。

2.そのお金を使うのは何年後か

ここは、かなり大切です。

旧NISAの商品を「投資商品」として見る前に、何のためのお金なのかを思い出してみてください。

たとえば48歳。旧つみたてNISAは老後資金で、60代までは使う予定がない。

一方、58歳。3年後に退職予定で、その後は住宅ローンの返済や生活費にも充てるつもり。

同じ含み益が出ていても、考え方は変わります。

数年後に使う予定のお金を値動きの大きな資産に置いていると、使いたい時期と相場の下落が重なることも考えられます。

「せっかく増えていたのに、使う直前に大きく減ってしまった」

これは避けたいところでしょう。

反対に、10年、15年と先まで使う予定がなく、長期運用を前提としているなら、一時的な値下がりを理由に売ると、もともとの運用計画まで変わってしまいます。

ですから、先に見るのは利益額よりこちら。

「このお金を使うのは何年後か」

50万円増えたか、100万円増えたか。その数字はそのあとで十分です。

お金見直し中

つまり私の場合、口座を見て利益が出ていたら、何から確認すればいいんでしょう?

専門家

まず購入年を見て、非課税期間がいつまでかを確認します。
次に、そのお金を使う予定が3年後なのか、10年以上先なのか。
この2つを先に見てください

お金見直し中

そのあとに、売るかどうかを考える?

専門家

はい。
さらに預貯金や新NISA、企業型DCなども並べると、「この旧NISAを今動かす必要があるか」まで判断しやすくなります

3.旧NISAを家計全体の中に置いてみる

旧NISAに500万円あるとします。

500万円という数字を単独で見ると、大きいのか小さいのか判断しづらいですよね。

たとえば、

預貯金300万円
旧NISA500万円
新NISA300万円
企業型DC500万円

という人。

もう一人は、

預貯金1,500万円
旧NISA500万円

という人。

旧NISAは同じ500万円でも、家計の中で担っている役割はかなり違います。

企業型DCやiDeCoも株式型の投資信託が中心なら、本人が思っている以上に金融資産全体が株式へ寄っているケースも出てきます。

逆に、生活費や近い将来に必要なお金を預貯金で十分に確保できていれば、旧NISAの値動きを受け止めやすいこともあるでしょう。

利益が増えていると、旧NISAの画面ばかり見たくなるものです。

そんなときほど、少し視野を広げます。

預貯金。
新NISA。
旧NISA。
iDeCoや企業型DC。
退職金の見込み。

50代なら、住宅ローンの残高や退職予定時期、公的年金を受け取り始める時期も一緒に並べてみてください。

「旧NISAを売るか」という話が、「何歳ごろから、どのお金を使っていくか」という話に変わってきます。

ここまで見えてくると、判断もしやすくなります。

4.今持っていなかったとして、これから買いたい商品か

旧NISAを何年も持っていると、

「100万円で買ったものが150万円になった」

という過去の数字に気持ちが引っ張られます。

そこで、少し意地悪な質問を自分にしてみます。

今この商品を持っていなかったら、これから自分のお金で買いたいと思うか。

どうでしょう。

投資信託なら、どの国や資産に投資しているのか。
どのくらい値動きするのか。

信託報酬などのコストはどの程度か。
今の自分の目的にも合っているか。

改めて見てみると、

「そういえば、何に投資している商品か詳しく知らない」

ということもあります。

40代・50代の相談では、

「昔、銀行で勧められて買いました」
「そのまま何年も見ていませんでした」

という話もよく聞きます。

利益が出ていると、「儲かっているから、このままでいいか」と思いやすいんですね。

でも、大切なのは過去にうまくいったかより、これからも自分のお金を置いておきたいかどうか

売るか持つかで迷ったときは、ここを一度考えてみてください。

5.新NISAへ回す資金は別に用意できるか

「旧NISAを売って、新NISAで同じ商品を買い直したほうがいいですか?」

これもよく出てくる疑問です。

旧NISAの商品を新NISAへ直接移すことはできません。
新NISAで持ちたいなら、旧NISAの商品を売却し、新NISAで改めて購入する形になります。

ただ、その前に確認したいことがあります。

新NISAへ入れるお金を、旧NISA以外から用意できるでしょうか。

毎月の収入から新NISAへ積み立てられる。
あるいは、預貯金の一部を新NISAへ回せる。

そうであれば、旧NISAを保有したまま、新NISAを使う方法も取れます。

反対に、新NISAへ回せる余裕資金がほとんどなく、旧NISAにある資産を今後の運用へ組み直したいなら、売却して新NISAで買い直す方法も検討できます。

ポイントは、

「新NISAのほうが新しいから移す」ではなく、
「旧NISAを売って、新NISAで改めて運用する目的が自分にあるか」

です。

なお、旧NISAの商品を売っても、新NISAの非課税保有限度額がその金額分増える仕組みにはなっていません。

ここは混同しやすいので、切り分けて考えておきましょう。

「全部売る」「全部持つ」の間にも選択肢はある

旧NISAで利益が大きくなってくると、頭の中が二択になりがちです。

「今のうちに全部売ろうか」
「もう少し上がるかもしれないから、全部持っておこうか」

でも、40代・50代の生活設計で考えるなら、その間にも選択肢は作れます。

年齢よりも、「いつ使うお金か」を軸に考えてみましょう。

旧NISAで利益が出ているときの4つの選択肢を示した図。選択肢は、持ち続ける、一部を売る、売却する、売却後に新NISAで改めて運用する、の4つ。使う時期が先で今後も保有したい商品なら持ち続ける、数年以内に使う分を先に確保したいなら一部を売る、近く使う予定があるなら売却する、新NISAで改めて運用したい場合は目的と枠を確認して判断する、という考え方を説明している。
旧NISAは「全部売る」「全部持つ」以外にも選び方がある

49歳、老後資金としてまだ先まで運用するなら

49歳で、旧つみたてNISAを老後資金として持っているとします。

60代までは使う予定がない。
日々の生活費や急な出費に備える預貯金も別に確保している。
保有している投資信託も、今後の長期運用に使いたいもの。

さらに、iDeCoや企業型DCまで含めて確認しても、資産が一つの投資先へ極端に偏っていない。

こうした状況なら、「かなり増えたから」という一点で急いで売る必要性は低いでしょう。

含み益が大きくなると、

「今売れば、この利益は確定する」

と思いますよね。

その感覚自体は間違っていません。

ただ、そのお金を当面使わず、今後も運用を続ける予定なら、「今の利益を確定する話」と「老後までどう運用するか」は分けて考えたほうがすっきりします。

売ったあと、そのお金をどうするのか。

現金のまま置くのか。新NISAでまた投資するのか。

そこまで考えてから決めても遅くありません。

57歳、数年後に使う予定が見えているなら

今度は57歳。数年後に退職を予定しているケースです。

旧NISAが大きく値上がりし、金融資産に占める投資商品の割合も高くなってきた。
退職後には住宅のリフォームや車の買い替えも予定している。

こうなると、考えたいのは「全部売るか、全部持つか」より、何年後に使う分を先に確保するかです。

たとえば、数年以内に使う予定の金額は先に売却して現金で確保する。

その先、10年、15年後の老後資金として使う分は、運用を続ける。

こういう分け方もできます。

せっかくリフォーム代として見込んでいたお金が、使う直前の相場下落で大きく減ってしまったら困ります。

一方、かなり先に使う予定のお金まで一度に現金へ移すかは、また別の話。

40代・50代では、

「全部売るか」より、「いつ使う分から値動きを抑えるか

と考えると、生活設計につなげやすくなります。

非課税期間の終了が近づいたら、その先を決める

旧一般NISAの非課税期間が終わる年になると、年末が急に「締切」のように見えてきます。

「年末までに売るか決めなきゃ」

そんな気持ちになる方もいるでしょう。

でも、確認したいのは日付より、その先です。

この商品をこれからも持ちたいか。
数年以内に使うお金か。
課税口座へ移っても保有したいか。
新NISAで改めて運用する意味があるか。

こう並べてみてください。

非課税期間が終わって課税口座へ移る場合、移管時の時価がその後の取得価額になります。

ですから、旧NISAの中で増えた利益を守るために、非課税期間終了前の売却を急ぐ必要はありません。

一方で、

「この商品を今後も持ちたいとは思わない」
「3年後には使う予定が決まっている」

という状況なら、非課税期間の終了を資産整理のきっかけにする考え方もできます。

制度の期限に追い立てられて決めるより、期限を一つの確認時期として使う。

そのくらいの距離感がちょうどよいでしょう。

今日やるなら、この4つを確認する

ここまで読んで、

「結局、いろいろ調べないと決められないんだな」

と思った方もいるかもしれません。

最初から家計を細かく計算しなくても大丈夫です。

まず証券口座を開き、次の4つを確認してみてください。

  1. 旧一般NISAか、旧つみたてNISAか
  2. 何年に購入した商品か
  3. そのお金を使う予定は何年後か
  4. 預貯金・新NISA・iDeCo・企業型DCまで含めたとき、資産はどう分かれているか

ここまで分かると、「利益が出ているから売る」という発想から少し離れられます。

そのうえで、

持ち続ける。
一部を売る。
売却する。
売却後、新NISAで改めて運用する。

この中から、自分の生活に合うものを考えてみましょう。

「50代だから売る」「30%増えたから売る」と機械的に線を引くより、使う時期から逆算する。

そのほうが、数年後に振り返ったときにも、「あのときは自分の予定に合わせて決めた」と納得しやすいはずです。

お金見直し中

結局、今日やることを絞るとしたら、何から始めればいいですか?

専門家

まず証券口座で、旧NISAの種類と購入年を確認してください。
次に、そのお金を何年後に使うかを書き出します

お金見直し中

そこまで分かったら、売るか持つかを決める?

専門家

その前に、預貯金や新NISAなども含めて全体を一度見ます。
そのうえで、持つ、一部を売る、売る、という順に選択肢を比べれば十分です

まとめ|利益の額より「このお金をいつ使うか」を先に考える

旧NISAで利益が大きく出ていると、「今のうちに売ったほうが得なのでは」と気になります。

けれど、売却を考える前に見ておきたいことはほかにもあります。

一般NISAか、つみたてNISAか。
非課税期間はいつまでか。
このお金を使うのは何年後か。
預貯金や新NISA、iDeCo、企業型DCまで含めると、資産はどのように分かれているか。

そして、今後もその商品を持ちたいと思えるか。

40代・50代は、「増やす」に加えて「いつ使うか」も考え始める時期です。

旧NISAの画面を開いたとき、最初に目へ飛び込んでくるのは「プラス〇万円」という利益かもしれません。

ただ、判断の軸を利益の大きさに置くと、肝心なことを見落としやすくなります。

このお金を使うのは、いつなのか。

まず、その予定を置いてみる。

売るか持つかは、それから考えても十分です。

よくある質問

旧NISAで利益が出ていたら、今のうちに売ったほうがよいですか?

利益が出ているという理由だけで、売却を急ぐ必要はありません。
まず確認したいのは、非課税期間があと何年あるか、そのお金をいつ使う予定か、今後もその商品を持ちたいかという点です。

数年以内に使う資金なら一部を現金化する方法も考えられます。
一方、老後まで長く運用する予定なら、含み益の大きさより、当初の運用目的や資産全体のバランスを見て判断するとよいでしょう。

旧NISAで利益が出ている商品を一部だけ売ることはできますか?

保有している株式や投資信託は、取引単位や金融機関の取扱いに応じて一部を売却できます。
たとえば500万円まで増えた旧NISAのうち、3年後に使う予定の150万円分を売り、残りは老後資金として運用を続ける考え方もできます。

「全部売る・全部持つ」の2択に絞る必要はありません。
使う時期が近い資金から順に値動きを抑えると、40代・50代の生活設計にもつなげやすくなります。

旧NISAを売って新NISAで買い直したほうが得ですか?

一律に「買い直したほうが得」とは決まりません。
旧NISAの商品は新NISAへ直接移せないため、いったん売却し、新NISAの年間投資枠を使って改めて購入します。

まず、新NISAへ回す資金を給与や預貯金から用意できるかを確認しましょう。
別の資金で新NISAを使えるなら、旧NISAをそのまま保有する方法も取れます。
売却前に「なぜ新NISAで買い直すのか」を整理しておくことが大切です。

利益の一部を確保したい場合、いくら売ればよいですか?

「利益の半分を売る」といった一律の基準より、これから使う予定額から考えるほうが実用的です。
たとえば数年以内にリフォームで200万円、車の買い替えで150万円を使う予定なら、その資金を預貯金でまかなえるかを確認します。

足りない分を旧NISAから確保する方法も考えられるでしょう。
利益額を基準に売るより、「いつ・何に・いくら使うか」から逆算すると、売却額を決めやすくなります。

旧NISAで利益が出ている商品は、非課税期間が終わったあとも持ち続けられますか?

はい。非課税期間が終わると、商品は特定口座や一般口座などの課税口座へ移り、そのまま保有を続けることができます。
移管時の時価が、その後の取得価額になります。

ですから、期限が来たら必ず売るという考え方をする必要はありません。
今後も持ちたい商品か、近いうちに使う予定の資金かを確認し、売却・継続保有・新NISAでの買い直しを検討するとよいでしょう。

神崎ようこ
神崎ようこ

この記事を書いた人:神崎ようこ

CFP®・特定社会保険労務士

40代・50代になると気になり始める、NISA・老後資金・年金・退職金などのお金について発信しています。

制度の仕組みを確認しながら、「結局、自分は何を確認し、どう考えればよいのか」までわかるよう、できるだけ具体的に整理してお伝えします。

旧NISAの利益は今売るべき? 利益確定前に確認したい5つのこと

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