旧NISAは放置して大丈夫? 売る前に確認したい5つのポイント

旧NISAは放置して大丈夫? 売る前に確認したい5つのポイント

「旧NISAで積み立てた投資信託、そのまま残っているけれど……何か手続きしたほうがいい?」

新NISAが始まってから、以前のNISAをほとんど見ていない。
そんな方もいるのではないでしょうか。

先に結論をお伝えすると、旧NISAで積み立てた資産は、新NISAが始まったからといって急いで売る必要はありません。
非課税期間が続いている間は、そのまま保有できます。

ただ、ずっと見ないままでよいかというと、一度は口座を開いて確認しておきたいところです。

見るポイントは、意外とシンプル。

「何年に買った資産か」
「そのお金をいつ使うつもりか」

この2つです。

この記事でいう「旧NISA」は、2023年までの「つみたてNISA」と「一般NISA」で保有している資産を指します。
名前は似ていますが、非課税で持てる期間には大きな差がついています。

特に旧一般NISAを使っていた方は、購入した年を一度確認してみてください。

2022年に購入した分は2026年末、2023年に購入した分は2027年末で非課税期間が終了します。
一方、2023年に旧つみたてNISAで購入した商品なら、2042年まで非課税で保有できます。

「何年も見ていなかった。まずかったかな」と心配になった方も、慌てなくて大丈夫。

最初に現在地を確認しましょう。

そのうえで、これからの暮らしにその資産をどう組み込むか。
40代・50代のNISAは、ここまで考えてこそ意味が出てきます。

お金見直し中

新NISAの積立は続けているんですけど、旧NISAは何年もほとんど見ていなくて。
今さら確認して、何かまずいことが見つかったらと思うと、ちょっと怖いです

専門家

まずいことを探すというより、『今どうなっているか』を確認する感覚で大丈夫です。
旧NISAは、しばらく見ていなかったこと自体より、購入年と使う時期を知らないままにしておくほうが判断しにくくなります

お金見直し中

じゃあ、いきなり売るかどうかを決めなくてもいいんですね

専門家

はい。まずは口座の種類と購入年。そこからで十分です

この記事でわかること
  • 旧NISAをそのまま持っていてよいか
  • 非課税期間が終わる時期と、その後の扱い
  • 売る・持つ・新NISAで買い直すときの判断ポイント
  • 40代・50代が年金や退職金も含めて考えたいこと
目次

旧NISAは放置したままでも大丈夫? まず知っておきたい現在の扱い

旧NISAについて最初に押さえたいのは、新NISAが始まったからといって、以前買った商品が消えたり、突然課税されたりする仕組みではないという点です。

2023年末で旧制度を使った新規購入は終了しました。

それまでに購入した商品については、それぞれに決められた非課税期間が終わるまで、旧制度の口座で保有できます。

ここまでは、さほど難しくありません。

少しややこしくなるのが、「つみたてNISA」と「一般NISA」で期限が違うことです。

まず確認したいのは「どちらの旧NISAか」

違いを簡単に整理してみましょう。

旧つみたてNISA旧一般NISA
新規買付2023年で終了2023年で終了
非課税期間購入年から20年間購入年から5年間
そのまま保有可能可能
2024年以降のNISAへの移管不可不可

ここで気になるのが、新NISAの1,800万円という非課税保有限度額との関係でしょう。

旧NISAで保有している資産は、2024年以降のNISAとは別枠で管理されます(金融庁「2023年までのNISA」)。

たとえば旧NISAに300万円分の資産が残っていたとしても、

「1,800万円-300万円=新NISAで使えるのは1,500万円」

という計算にはなりません。

旧NISAにある資産とは別に、2024年以降のNISAでは最大1,800万円の非課税保有限度額を使えます。
このうち成長投資枠は1,200万円が上限です。

数字が出てくると、つい「今いくら儲かっているか」を先に見たくなりますよね。

でも、先に見ておきたいポイントは別にあります。

証券会社の口座にログインしたら、まず見るのは次の2点です。

「旧つみたてNISAか、旧一般NISAか」
「何年に購入した分か」

評価額が上がっているか、下がっているか。その確認は次で十分です。

昔のNISAが新NISAへ自動で切り替わったわけではない

相談の場でも、ときどきこんな質問を受けます。

「新NISAが始まったとき、前のNISAも自動で新しい制度に移ったんですよね?」

ここは勘違いしやすいところです。

旧NISAと2024年以降のNISAは、それぞれ別に管理されています。

旧NISAで持っている商品を、そのまま新NISAへ移す仕組みは用意されていません(金融庁「2023年までのNISA」)。
旧NISAで新たな買付けをすることも、2024年以降はできません。

一方で、以前買った商品を持ち続けることも、非課税期間中に売却することもできます。

たとえば、

「新NISAでは毎月3万円を積み立て中。旧つみたてNISAで買った投資信託も、そのまま保有している」

という状態。

こうした形で保有を続けている方も、よく見られます。

口座画面に「旧NISA」「新NISA」と並んで表示されると、何となく片方を整理したくなるかもしれませんね。

とはいえ、画面をすっきりさせるために資産まで売る必要はありません。

見るべきところは、口座の見た目よりも「この資産を、これからの暮らしの中でどう使うか」です。

ここからは、その判断に必要な5つのポイントを順に確認していきます。

旧NISAの積立投資で今確認したい5つのこと

旧NISAを開いたら、この順番で確認

  1. 種類と購入年 いつまで非課税か
  2. 商品と現在額 何をいくら持っているか
  3. 使う時期 何年後に必要になるか
  4. 非課税期間終了後 課税口座へ移るとどうなるか
  5. 家計全体 年金・退職金・預貯金などとどう組み合わせるか

1.旧NISAの種類と「何年に買った分か」

「利益が何%出ているか」は気になります。

ただ、最初に目を向けたいポイントは別のところです。

まず確認したいのは、口座の種類と購入年です。

旧つみたてNISAは購入年から20年間、旧一般NISAは5年間が非課税期間(金融庁「2023年までのNISA」)。

たとえば、こうなります。

  • 2022年の一般NISA → 2026年末まで
  • 2023年の一般NISA → 2027年末まで
  • 2019年のつみたてNISA → 2038年末まで
  • 2023年のつみたてNISA → 2042年末まで

自分の購入年に置き換えるときは、購入した年を1年目として数えます。

旧一般NISAなら5年目の年末まで、旧つみたてNISAなら20年目の年末までが非課税期間です。

たとえば2020年に旧つみたてNISAで購入した分なら、2020年を1年目として20年目にあたる2039年末まで。
複数年にわたって積み立てている場合は、購入年ごとに終了年を確認しておきましょう。

同じ「昔のNISA」でも、残っている時間はかなり違います。

2026年時点で見ると、旧一般NISAで2021年以前に購入した分は、すでに5年間の非課税期間を終えています。
売却せず保有を続けていれば、課税口座へ移っている商品もあるでしょう。

一方、旧つみたてNISAなら、非課税期間が10年以上残っているケースも珍しくありません。

ここを確認せずに、

「旧NISAだからそろそろ売ったほうがいいかな」

と考えると、少し話が早いのです。

証券口座を開いたら、まず「保有商品一覧」「資産状況」「NISA保有商品」といった画面を探してみてください。
名称は証券会社によって異なりますが、現在持っている商品と口座区分を確認できる画面です。

そこで、商品名、旧つみたてNISA・旧一般NISAのどちらか、購入年を確認します。

購入年が表示されていなければ、「取引履歴」「約定履歴」などをさかのぼってみましょう。
電子交付書面に過去の取引記録が残っている場合もあります。

旧つみたてNISAで同じ投資信託を何年も買っていた方は、商品名を一つ確認して終わりにせず、何年に買った分が残っているかを年ごとに見ておくのがポイントです。
購入年が違えば、非課税期間が終わる年も変わります。

画面を見ても分からない項目は、証券会社のサポート窓口で「旧NISAの商品について、購入年を確認したい」と問い合わせれば確認できます。

2.何を持っていて、今いくらになっているか

購入年が分かったら、次は中身を見ます。

確認したいのは、次のような項目です。

  • 商品名
  • 現在の評価額
  • 投資した元本
  • 含み益・含み損
  • 株式中心の商品か、債券などを含むバランス型か
  • 新NISAでも同じ商品を買っているか

証券口座では、同じ数字でも表示名が少し違うことがあります。

目安として、「評価額」「時価評価額」などが現在の資産価値です。

買った金額は「取得価額」「取得金額」などの欄で確認します。
この記事では、これを投資元本の目安として見ていきます。

そして「評価損益」が、現在の評価額と取得金額との差です。
プラスなら含み益、マイナスなら含み損と考えると分かりやすいでしょう。

まずは、

商品名/現在の評価額/取得金額/評価損益

の4つをメモしておけば十分です。

なお、すでに旧一般NISAの非課税期間が終わり、課税口座へ移っている商品は、課税口座へ移った時点の時価が新しい取得価額として表示されます。
旧NISAで最初に買った金額と一致しない場合があるので、口座区分も一緒に確認してください。

ここで気をつけたいのが、含み益・含み損に気持ちを引っ張られすぎることです。

「30万円増えている。今のうちに売ろう」

反対に、

「20万円減っている。元に戻るまで売りたくない」

こう考えたくなる気持ちはよく分かります。

ただ、資産運用の判断としては、もう一歩先まで見たいところです。

私が相談でよく確認するのは、こんな問いです。

買ったときと今とでは、生活やお金の使い方も変わっているかもしれません。
それでも、この商品を持ち続けたいと思えるでしょうか?

過去に買ったときの判断より、これから持ち続ける意味を見直すためです。

たとえば45歳で、65歳以降の老後資金として積み立ててきたお金なら、使うまで20年ほど見込めます。

一方、58歳で「60歳になったら住宅ローンを一部返済しよう」と考えているなら、使う時期は2年後。

同じ株式型の投資信託でも、この2人が取るべき選択は変わってきます。

商品の良し悪しを考える前に、その商品を持つ目的をもう一度確認する。

ここが分かれ目です。

3.そのお金を「いつ使う予定か」

旧NISAをどうするか相談を受けたとき、私はこの部分をかなり重く見ます。

「売るか、持つか」を考える前に、「何年後に使うか」を決める。

この順番です。

たとえば45歳で、旧つみたてNISAの資産を65歳以降の生活資金に回す予定なら、まだ20年ほど運用期間を取れます。

近い将来に使うお金を預貯金で確保できていて、値動きも受け入れられる。
そうした家計なら、40代後半になったという年齢を基準に慌てて売る必要性は高くないでしょう。

では、53歳で65歳退職予定ならどうでしょう。

この年代になると、旧NISAの残高を見るときに、ほかのお金も一緒に並べたほうが判断しやすくなります。

預貯金、新NISA、企業型DC、iDeCo、退職金、公的年金。

さらに住宅ローンが残っているなら、その残高も確認しておきたいですね。

たとえば、

「60〜64歳は預貯金と退職金を中心に使う」
「65歳から公的年金を受け取る」
「NISAは70代以降にも残しておく」

こんなふうに、使う順番が見えてくると、旧NISAを今売る必要があるかも判断しやすくなります。

一方、58歳で60歳に住宅ローンを300万円ほど繰上返済したいというケース。

こちらは見方が変わります。

2年後に使う予定の300万円まで値動きの大きい資産に置いているなら、「非課税だから持ち続けよう」と考えるより、必要な時期に必要な金額を用意できる状態を優先したほうがよいでしょう。

50代になったら投資をやめる。

そんな年齢の線引きで考える必要はありません。

何歳かより、何年後に使うか。

ここを基準にすると、NISAの扱いはかなり整理しやすくなります。

旧NISAをどうするかは「年齢」より「使う時期」から考える

① このお金はいつ使う?
 ↓
② その時まで価格変動を受け入れられる?
 ↓
③ 近い将来に使う現金は別に確保できている?
 ↓
持ち続ける・現金化する・新NISAで運用するかを検討

ここまで確認できたら、旧NISAの商品ごとに、最後に2つ書き出してみてください。

使う時期:__歳ごろ・__年ごろ
使い道:__________

たとえば、

「65歳以降/老後の生活費」
「60歳ごろ/住宅ローンの繰上返済」
「時期未定/70代以降に使う老後資金」

といった程度で構いません。

まだ使い道が決まっていないなら、「時期未定」と書いておきましょう。
決まっていないことが分かるのも、大切な確認結果です。

この段階では、売るか持ち続けるかまで決める必要はありません。
まずは、今どんな資産を持っていて、それをいつ、何に使うつもりなのかを一枚につなげるところまで進めれば十分です。

4.非課税期間が終わるとどうなるか

「非課税期間が終わったら、それまでの利益にまとめて税金がかかるの?」

この疑問はよく聞きます。

結論からいうと、実際の仕組みは少し違います。

非課税期間が終わった商品を売らずに持ち続ける場合、課税口座へ移ります。
その際、移った時点の時価が、課税口座での新しい取得価額になります。
(国税庁「No.1464 譲渡した株式等の取得費」)

数字で見たほうが分かりやすいでしょう。

50万円で買った投資信託が、非課税期間終了時には80万円になっていたとします。

売らずに課税口座へ移ると、80万円が新しい取得価額です。

その後100万円で売却した場合、課税対象となる利益は原則、

100万円-80万円=20万円

となります。

50万円から80万円へ増えた30万円には、あとからさかのぼって税金がかかることはありません。

ここまでは比較的イメージしやすいと思います。

少し注意したいのは、値下がりした状態で非課税期間を終えるケースです。

100万円で購入した商品が、非課税期間終了時には80万円まで下がっていたとします。

課税口座へ移ると、新しい取得価額は80万円。

その後価格が戻り、100万円で売却すると、

100万円-80万円=20万円

が課税上の利益になります。

「100万円で買って、100万円で売ったのに利益扱いになるの?」

ここは引っかかりやすいところですね。

ポイントは、課税口座へ移った時点で「80万円で取得した」という扱いになることです。

特に旧一般NISAで含み損を抱えていて、非課税期間の終了が近い方は、この仕組みを理解したうえで今後の保有を考えておきたいところです。

ケース旧NISAで購入課税口座へ移る時その後売却課税上の利益
値上がり50万円80万円
新しい取得価額
100万円20万円
値下がり100万円80万円
新しい取得価額
100万円20万円

※非課税期間終了後に課税口座へ払い出された場合、払出し時の時価が新しい取得価額になります。

お金見直し中

仕組みは分かってきました。
でも、結局、自分の旧NISAでは何を見ればいいんでしょう?

専門家

まず「非課税期間がいつ終わるか」です。
次に、今の評価額が買ったときより上か下か。
この2つを確認してみてください

お金見直し中

含み損だったら、非課税期間が終わる前に売ったほうがいいですか?

専門家

そこは含み損だけでは決めません。
そのお金をいつ使うか、今後もその商品を持ちたいかまで見てからです。
期限が近いことは「売却の合図」というより、「見直すタイミング」と考えると整理しやすいですよ

5.新NISA・預貯金・年金・退職金と一緒に考えたか

ここまで確認したら、一度、旧NISAの画面から目を離してみましょう。

40代・50代では、旧NISA単体で答えを出そうとすると、かえって判断しづらくなることがあります。

見たいのは、家計全体です。

たとえば、

  • 新NISAで毎月いくら積み立てているか
  • 預貯金はいくら確保できているか
  • 退職金はいくら見込めそうか
  • 企業型DC・iDeCoはいくらあるか
  • 公的年金はいくら受け取れそうか
  • 住宅ローンはいくら残っているか
  • 退職前後に住宅修繕、車の買替え、子どもの支援などを予定しているか

こうした数字を一度並べると、旧NISAの役割が見えてきます。

たとえば旧つみたてNISAと新NISAの両方で、同じインデックスファンドを持っているケース。

「同じ商品が2つに分かれていて見づらいから、1つにまとめたい」

そう思うかもしれません。

けれど、旧NISAの資産は現行NISAの1,800万円の非課税保有限度額とは別枠です。
口座表示をすっきりさせる目的で、急いで手放す必要はないでしょう。

反対に、預貯金が少なく、2〜3年以内に使う予定のお金まで投資に回っているなら話は変わります。

非課税期間が残っていることより、近い将来の支払いに備えられているかを優先したい場面です。

NISAは税制上有利か。

もちろん大切な視点です。

でも40代・50代では、その前に一つ確認したい。

「自分は、いつ、いくら必要になるのか」

ここが決まると、投資を続けるお金と、現金へ戻しておくお金を分けやすくなります。

旧NISAは売る? 持ち続ける? 新NISAで買い直す? 判断の目安

ここまで見てきた内容をもとに、最後は行動へ落とし込みましょう。

どの選択が合うかは、人によって変わります。

家計の状況や使う時期によって、選び方は変わります。

そのまま保有しやすいケース

たとえば、次のような状況なら、旧NISAの資産をそのまま保有する選択は取りやすいでしょう。

  • 非課税期間がまだ十分に残っている
  • 10年以上使う予定がない
  • 今持っている商品が運用目的に合っている
  • 数年以内に使う資金は預貯金などで確保できている

旧つみたてNISAは、長期・積立・分散による資産形成を前提とした制度です。

新NISAが始まったからといって、旧つみたてNISAの商品まで急いで処分する必要はないでしょう。

特に、老後まで時間を取れる人にとっては、残っている非課税期間も貴重です。

売却を考えてもよい場面

一方、こんなケースなら売却を検討する余地が出てきます。

  • 数年以内に使う予定が決まっている
  • 投資資産の割合が家計全体の中で高くなっている
  • 退職前後の生活費として現金を厚めに用意したい
  • 保有している商品が現在の運用方針に合わなくなった

旧一般NISAの非課税期間終了が近い方も、一度口座を見直すよいタイミングでしょう。

ただし、

「非課税期間が終わるから全部売る」

と機械的に決める必要もありません。

課税口座へ移したあと、そのまま保有を続ける選択もできます。

考えたいのは、「税金がどうなるか」に加えて、この資産をこれからも持つ意味が自分にあるかです。

新NISAで買い直すなら、先に枠と家計を確認する

「この先も運用するなら、旧NISAを売って新NISAで買い直したほうがよいのでは?」

そう考える方もいるでしょう。

お金見直し中

新NISAは非課税期間が無期限なんですよね。
それなら、旧NISAは売って全部新NISAで買い直したほうが得じゃないですか?

専門家

そう考えたくなりますよね。
ただ、新NISAで買い直すと、その年の投資枠を使います。
旧NISAにまだ非課税期間が残っているなら、急いで移すことが有利とは限りません

お金見直し中

では、何を比べればいいでしょう?

専門家

旧NISAの残りの非課税期間、新NISAの枠を今後どう使いたいか、それから数年以内に使う現金。
この3つです。
「新しい制度だから移す」より、これからのお金の使い道を先に見たいですね

ここで押さえておきたいのは、旧NISAの商品を新NISAへ直接移すことはできないという点です。

新NISAで持ち直したい場合は、

旧NISAの商品を売却
 ↓
新NISAであらためて購入

という2つの取引になります。

新NISAで買い直した金額は、その年の年間投資枠を使います。

現在のNISAでは、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円。
併用すれば年間最大360万円まで投資できます。

とはいえ、

「新NISAは非課税期間が無期限だから、旧NISAから全部移したほうが得」

と決めるのは少し急ぎすぎです。

今後の新NISA枠を何に使うのか。
数年以内に必要になる現金はいくらか。
退職金や年金で、どこまで生活費を賄えるのか。

このあたりまで一緒に見てから決めたいですね。

お金見直し中

いろいろ確認することは分かりました。
でも、今日ひとまず何をすればいいですか?

専門家

まず証券口座を開いて、旧NISAの種類と購入年を確認してください。
次に、そのお金を何年後に使いたいかを考える。
この2つで十分です

お金見直し中

売るかどうかは、そのあと?

専門家

そのあとです。
預貯金、退職金、年金、住宅ローンなども並べてみて、旧NISAを今後どんな役割にするか決めましょう。
順番を逆にしないことが大切です

まとめ|旧NISAは「放置していたか」より、これから使う時期を見る

旧NISAを何年か確認していなかったとしても、最初から売却を急ぐ必要はありません。

確認したいのは、次の5つです。

  1. 旧つみたてNISAか、旧一般NISAか
  2. 何を、いくら持っているか
  3. そのお金をいつ使う予定か
  4. 非課税期間はいつ終わるか
  5. 新NISA・預貯金・年金・退職金とどう組み合わせるか

40代・50代になると、NISAの残高を眺めるだけでは答えが出にくくなってきます。

退職まであと何年か。
年金はいくら見込めるか。
退職金はどう使うか。
住宅ローンはいくら残っているか。
手元の預貯金で、数年先までどこまで備えられるか。

こうしたお金を一枚の地図のように並べてみると、旧NISAに任せる役割も見えやすくなります。

「昔いくらで買ったか」も確認したい数字です。

ただ、それ以上に大事なのが、

このお金を、これから何のために、いつ使うのか。

そこが決まれば、持ち続けるのか、現金へ戻すのか、新NISAで運用を続けるのか。

次の一手も、ぐっと選びやすくなるはずです。

よくある質問

旧NISAを何年も放置していました。今から確認しても遅くないですか?

今からでも確認しておきましょう。
まず見るのは、旧つみたてNISAか旧一般NISAか、そして何年に購入した分かです。

旧つみたてNISAは購入年から20年間、旧一般NISAは5年間が非課税期間。
2026年時点では、旧一般NISAの2022年購入分は年末に期限を迎えます。

評価額を見る前に、口座区分と購入年を確認すると、次に何を考えればよいか整理しやすくなります。

旧NISAで利益が出ています。非課税のうちに売ったほうが得ですか?

利益が出ていることのみを基準に、売却を急ぐ必要はありません。
非課税期間中に売れば利益に税金はかかりませんが、保有を続ける選択もできます。

確認したいのは、そのお金を何年後に使う予定か、今の商品をこれからも持ちたいかという点です。
数年以内に使う資金と、10年以上先の老後資金とでは判断も変わります。
「利益が出たから売る」より、使う時期から考えてみましょう。

旧NISAを売って、新NISAで同じ商品を買い直したほうがよいですか?

旧NISAの商品を新NISAへ直接移すことはできません。
移したい場合は、旧NISAでいったん売却し、新NISAで新たに購入します。

その購入には新NISAの年間投資枠を使います。
旧NISAに非課税期間が残っているなら、すぐ買い直すほうが有利とは限りません。

残りの非課税期間、新NISAの枠を今後どう使うか、近い将来に必要な現金の3点を確認してから決めるとよいでしょう。

旧一般NISAが含み損のまま非課税期間終了を迎えそうです。期限前に売ったほうがよいですか?

含み損という一点から売却を決めるのは早いでしょう。
非課税期間終了後も保有する場合、商品は課税口座へ移り、そのときの時価が新しい取得価額になります。
そのため、含み損の状態で移ったあと価格が回復すると、課税上の利益が生じる場合もあります。

期限が近づいたら、現在の評価額に加え、この先も保有したい商品か、使う予定はいつかを確認して判断するのがポイントです。

50代なら、旧NISAや新NISAはいつ頃から取り崩しを考えればよいですか?

「50代になったら」「60歳になったら」と年齢だけで取り崩し時期を決める必要はありません。
先に整理したいのは、退職予定年齢、退職金、公的年金、預貯金、住宅ローン、退職後の生活費です。

たとえば60代前半を預貯金や退職金で賄える人と、NISAから生活費を補う人では取り崩す時期も変わります。
老後資金は、どの資産からどの順番で使うかまで考えておくと見通しが立てやすくなります。

神崎ようこ
神崎ようこ

この記事を書いた人:神崎ようこ

CFP®・特定社会保険労務士

40代・50代になると気になり始める、NISA・老後資金・年金・退職金などのお金について発信しています。

制度の仕組みを確認しながら、「結局、自分は何を確認し、どう考えればよいのか」までわかるよう、できるだけ具体的に整理してお伝えします。

旧NISAは放置して大丈夫? 売る前に確認したい5つのポイント

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