退職を前に、会社から届いた退職金の案内を開いてみる。
「一時金なら1,800万円」
「年金なら10年間で毎年○万円」
「一部を一時金、残りを年金として受け取ることも可能」
ここまでは読めても、その先で迷います。
結局、自分はどれを選べばいいのだろう。
金額が大きい分、選び方を間違えたくない。
税金も気になるし、年金を選んだほうが長く受け取れて安心な気もする。
そんなふうに考える方も多いでしょう。
退職金を比べるときに見たいのは、受取総額のみでは足りません。
税金の計算方法と、何歳から何年間受け取るのか。
この2つを並べると、選択肢の見え方がかなり変わってきます。
| 一時金 | 年金 | 併用 | |
|---|---|---|---|
| 受け取り方 | まとまって受け取る | 複数年に分けて受け取る | 両方を組み合わせる |
| 主な税区分 | 退職所得 | 公的年金等の雑所得 | 両方 |
| 主に確認するもの | 勤続年数・退職所得控除・ほかの一時金 | 年間受取額・期間・公的年金・給与 | 一時金部分と年金部分を分けて確認 |
| 家計面 | まとまった支出に充てやすい | 定期収入として使いやすい | 近い支出と将来収入を分けやすい |
お金見直し中会社の案内を見たら、一時金の金額も年金の年額も載っていて……。
税金まで考えると、どこから比べればいいのか分からなくなりました



最初に答えを決めるより、まず一時金・年金・併用のうち何を選べるのか、年金なら何歳から何年間なのかを確認しましょう。
そこへ退職後の給与と公的年金を重ねていきます



金額を見比べる前に、「何歳にいくら入るか」まで見るんですね



そうですね。退職金の数字を年齢に置き換えると、自分の生活とのつながりが見えやすくなります
「一時金と年金、どちらが得?」と早く答えを出したくなるところですが、まずは比較する材料を揃えたいところ。
この記事では、一時金・年金・併用について、税金と受取期間をどう比べればよいか、自分で確認できるところまで整理していきます。
- 一時金を選んだ場合の税金を具体例で計算する方法
- 年金受取で公的年金等の所得がどう増えるか
- 10年・20年受取を税金と生活費の両面から比べる方法
退職金は一時金・年金・併用のどれを選べる? 最初に確認する受取条件
退職金の案内を受け取ると、すぐ税額を計算したくなるかもしれません。
ただ、その前に一つ確認しておきたいことがあります。
自分は、そもそもどの受け取り方を選べるのか。
ここを曖昧にしたまま税金を調べ始めると、「年金受取のほうがよさそう」と考えたあとで、勤務先の制度ではその選択ができなかった、と気づくこともあります。
「退職金」と書かれていても、中身は同じとは限らない
ひと口に退職金といっても、中身はいくつかに分かれます。
会社から直接支給される退職一時金。
確定給付企業年金(DB)。
企業型確定拠出年金(企業型DC)。
そして、自分で加入しているiDeCo。
似たように見えても、受取方法や開始時期、選べる期間はそれぞれ違います。
たとえば確定給付企業年金は、年金として受け取る仕組みを基本としつつ、規約によって全部または一部を一時金として受け取れる場合があります(厚生労働省「確定給付企業年金法」)。
企業型DCも、年金として受け取る場合は5年以上20年以下の有期年金、または規約に定める終身年金という仕組みがあります。
一時金を選べるかどうかも規約次第です(厚生労働省「確定拠出年金制度の概要」)。
iDeCoでは、一時金、年金、両方を組み合わせる方法が用意されていますが、実際の受取条件は加入している金融機関などで確認します(厚生労働省「iDeCoの概要」)。
ここで見たいのは制度の細かい仕組みより、自分の選択肢です。
勤務先から届いた案内、退職金規程、企業年金の給付案内を手元に置いて、次を見てください。
- 一時金を選べるか
- 年金を選べるか
- 一時金と年金を組み合わせられるか
- 何歳から受け取れるか
- 何年間受け取れるか
- 一度決めたあとに変更できるか
制度名を見てもよく分からなければ、人事や総務、企業年金の窓口へ、
「私の退職給付は、どの制度から支給されますか」
と聞いてみると話が早いですね。
制度名が分かれば、その後の税金も調べやすくなります。


「年間120万円」より、いつからいつまで受け取るかを見る
年金形式の案内を見ると、どうしても「年間いくらもらえるか」に目が向きます。
年間120万円。
月に直せば10万円。
そう見ると分かりやすいのですが、ここでもう一つ書き足してみてください。
何歳から、何歳まで受け取るのか。
たとえば、
「60歳から10年間」
と
「60歳から20年間」
では、受取総額や毎年の金額に加えて、給与や公的年金と重なる期間まで変わります。
「60歳開始・年間120万円・10年間」なら、
60~69歳に年間120万円
と書き換えてみる。
これなら、60代前半は再雇用給与と重なり、65歳以降は公的年金とも重なる、と一目で分かります。
数字を年齢に置き直す。ここがポイントです。
まず、この7項目を一枚にまとめる
税額計算へ進む前に、次の7項目を書き出してみましょう。
- 一時金で受け取る場合の金額
- 年金で受け取る場合の年間金額
- 年金の受取開始年齢
- 年金の受取期間
- 年金で受け取った場合の総受取見込額
- 一時金+年金を選べるか
- 受取方法を決める期限・選択後の変更可否
紙でもExcelでも構いません。
最初の段階では、税額を細かく出すより、自分が選べる条件を横に並べるほうが先。
ここまで揃えば、次に何を比べるかが見えてきます。
| 確認すること | 自分の条件 |
|---|---|
| ① 一時金で受け取る場合の金額 | 万円 |
| ② 年金で受け取る場合の年間金額 | 年 万円 |
| ③ 年金の受取開始年齢 | 歳 |
| ④ 年金の受取期間 | 年間 |
| ⑤ 年金の総受取見込額 | 万円 |
| ⑥ 一時金+年金の併用 | 選べる / 選べない |
| ⑦ 決定期限・選択後の変更 |
一時金と年金で税金はどう変わる? 受け取る年の所得まで確認する
「一時金のほうが税金は少ないらしい」
「年金にすると毎年税金がかかるらしい」
退職金について調べていると、そんな情報も目に入ります。
ただ、自分の退職金額や勤続年数が違えば、結果も変わります。
大切なのは、結論を覚えることより、自分の数字をどこへ入れればいいかを知っておくこと。
一時金から順に見ていきましょう。
一時金の税金は3段階で見ていく
退職一時金の税額を考えるとき、いきなり税率を掛けるわけではありません。
最初に出すのは、退職所得控除です。
- 勤続20年以下:40万円×勤続年数(最低80万円)
- 勤続20年超:800万円+70万円×(勤続年数-20年)
続いて、実際に課税の対象となる退職所得を計算します。
(退職金-退職所得控除)×1/2
ここまで出たら、国税庁の速算表で所得税率と控除額を確認します。
所得税・復興特別所得税は、
(課税退職所得×所得税率-控除額)×102.1%
住民税は、一般的な退職所得なら、
課税退職所得×10%
が目安になります。
数字だけを見ると少し身構えますが、流れは「控除を出す→課税対象を出す→税率を当てはめる」の3段階です。
では、勤続30年、退職金1,800万円で計算してみましょう。
退職所得控除は、
800万円+70万円×(30年-20年)=1,500万円
課税退職所得は、
(1,800万円-1,500万円)×1/2=150万円
2026年分では、この150万円に対する所得税率は5%。
所得税・復興特別所得税は7万6,575円、住民税は15万円となり、合計は約22万7,000円です。
「1,800万円受け取るなら、かなり税金を取られるのでは」と感じていた方には、印象が変わる数字ではないでしょうか。
ここで見ているのは、あくまで一般的な退職一時金のケース。
勤続年数5年以下の短期退職手当等や特定役員退職手当等では、計算の扱いが変わります。



この例を見ると、一時金を選んだほうが税金は少なそうですね



この条件ではそう見えます。
ただ、企業型DCやiDeCoも一時金で受け取るなら、受取年も見てください。
退職所得控除を同じように使えるとは限りません
企業型DCやiDeCoも一時金なら「いつ受け取るか」を並べる
会社の退職金とは別に、企業型DCやiDeCoを一時金で受け取る方もいるでしょう。
この場合、「会社の退職金」「企業型DC」「iDeCo」を一つずつ切り離して計算すると、実際の税額とずれることがあります。
2026年1月以後、確定拠出年金の老齢一時金を先に受け、その後に会社の退職手当等を受けるケースでは、前年以前9年内の老齢一時金が勤続期間等の重複調整の対象になります(国税庁「同じ年に2か所以上から退職手当等が支払われるとき」)。
少し制度が複雑になるところです。
ここで先に用意したいのは、税額計算ではなく次の情報。
- 会社の退職金:金額/受取予定年
- 企業型DC:金額/受取予定年
- iDeCo:金額/受取予定年
- それぞれの勤続期間・加入期間



つまり、私の場合は受取額と受取年を並べればいいんですね



そうですね。次に、会社の勤続期間とDC・iDeCoの加入期間が重なっているかを見ます。
重なる場合は、退職所得控除の調整対象になるかを確認してから税額へ進みます
「一時金なら税金が少ない」と、そこで受け取り方を決めてしまう前に、複数の一時金を受け取る人は、金額と年をセットで見る。
期間が重なる人は、調整後の退職所得控除を確認してから税額を計算します。
ここが大事です。
年金で受け取るなら、最初に1年分を合計する
次は、年金形式で受け取る場合です。
こちらも、途中までは自分で計算できます。
最初に、その年に受け取る公的年金等を合計します。
たとえば、
- 老齢基礎年金
- 老齢厚生年金
- 企業年金
- 企業型DC・iDeCoの年金
といった収入です。
この合計をAとします。
公的年金等以外の所得が1,000万円以下の場合、よく使う範囲は次のようになります。
| 年齢 | 公的年金等の収入A | 公的年金等の雑所得 |
|---|---|---|
| 65歳未満 | 130万円以下 | A-60万円 |
| 65歳未満 | 130万円超410万円以下 | A×75%-27万5,000円 |
| 65歳以上 | 330万円以下 | A-110万円 |
| 65歳以上 | 330万円超410万円以下 | A×75%-27万5,000円 |
410万円を超える場合は、国税庁の公的年金等控除額の表で確認します(国税庁「高齢者と税(年金と税)」)。
では、65歳以上で、公的年金180万円、企業年金120万円を受け取るケースで見てみます。
1年間の公的年金等の収入は、
180万円+120万円=300万円
65歳以上で330万円以下なので、
300万円-110万円=190万円
この190万円が、公的年金等に係る雑所得です。
さらに、2026年分でほかの所得がなく、所得控除は基礎控除のみとすると、
190万円-104万円=86万円
課税所得は86万円(国税庁「基礎控除」)。
所得税・復興特別所得税は、約4万4,000円となります。
ここまで数字を入れると、「企業年金120万円にそのまま税率を掛ける」という話ではないことが分かりますね。



私の企業年金が80万円なら、120万円のところを80万円に変えればいいんですか?



まずはそれで構いません。
公的年金と企業年金を1年分で合計し、公的年金等の雑所得を出します。
そのあと、再雇用給与などほかの所得や所得控除を加えて、最終的な課税所得を見ていきます
つまり、年金形式でも「自分では計算できない」と考える必要はありません。
まず公的年金等の雑所得まで出してみる。
その先で、給与や各種控除を重ねていきます。
10年受取と20年受取は、1年分に直すと比べやすい
年金で迷いやすいのが、受取期間です。
「10年と20年、どっちが得?」
ここも、最初に1年当たりの受取額へ直すと見やすくなります。
単純なモデルなら、
企業年金の総受取額÷受取年数=1年当たりの受取額
です。
たとえば企業年金の総額を1,200万円とすると、
- 10年受取:1,200万円÷10年=年120万円
- 20年受取:1,200万円÷20年=年60万円
公的年金を年180万円として、先ほどと同じ方法で計算すると次のようになります。
| 10年受取 | 20年受取 | |
|---|---|---|
| 公的年金等の収入 | 300万円 | 240万円 |
| 公的年金等の雑所得 | 190万円 | 130万円 |
| 2026年分の基礎控除 | 104万円 | 104万円 |
| 課税所得 | 86万円 | 26万円 |
| 所得税・復興特別所得税 | 約4.4万円/年 | 約1.3万円/年 |
| 同条件が続く場合の単純合計 | 約44万円/10年 | 約27万円/20年 |
この条件なら、20年受取のほうが1年ごとの所得税等は小さくなります。
ただ、この数字を見て「では20年を選ぼう」と結論を出す前に、もう一つ確認したいことがあります。
20年受取なら課税される期間も長くなります。
70代まで企業年金を残したいのか、60代のうちに多めに受け取りたいのか。
そこは生活設計と一緒に考えるところです。
また、実際の企業年金では、受取期間を変えたときの年金額が単純な「総額÷年数」にならないケースもあります。
勤務先から提示された年金額が手元にあるなら、その数字を使ってください。
将来の税制や公的年金額も固定ではありません。
この表は、現在の制度と条件を置いて比べた試算です。
住民税についても、所得税とは控除の扱いが異なるため、最終的な負担は自治体の税額試算で確認したいところ。
ここまで計算できたら、次は税金の数字からいったん離れます。
60代前半の給与はいくらか。
65歳以降の公的年金はいくらか。
退職後、まとまったお金を使う予定はあるか。
そこまで重ねて、一時金・年金・併用を比べていきましょう。
一時金・年金・併用を「税金×受取期間×使う時期」で比較する
ここまで税金の仕組みを見てきました。
そろそろ、退職後の暮らしへ話を戻しましょう。
税金を抑えやすい受け取り方が見つかったとしても、それが自分の家計に合うとは限りません。
住宅ローンが残っている人。
60歳で退職し、65歳まで収入が大きく下がる人。
再雇用でしばらく給与収入が続く人。
退職直後に自宅の修繕を予定している人。
同じ退職金額でも、選び方は変わります。
一時金は、退職直後に使う予定と一緒に見る
一時金を考えるときは、退職所得控除の計算と並行して、退職後5年ほどの支出も書き出してみてください。
たとえば、
- 住宅ローンの残高
- 自宅の修繕
- 車の買い替え
- 子どもへの支援
- 60~65歳の生活費
- 医療・介護に備えて確保する資金
などです。
仮に、退職後5年間で500万円ほど使う予定が見えているなら、その500万円は一時金の受け取り方を考える材料になります。
一方で、全額を一時金として受け取れば、その後は自分で資金を管理していくことになります。
退職直後に使う500万円と、80歳前後に使うかもしれないお金まで同じタイミングで受け取るのか。
ここは税金とは別の視点で考えてみたいところですね。
年金は「いくら欲しい?」より「いつ足りなくなる?」を見る
年金形式を考えるとき、「毎月あと5万円あれば安心」と考える方は多いものです。
もちろん、それも大切です。
ただ、先に年齢ごとの収入を並べると、もう少し具体的に見えてきます。
たとえば、
- 60~64歳:再雇用給与が中心
- 65~69歳:公的年金+企業年金
- 70歳以降:公的年金が中心
という人。
この場合、60代前半の生活費を補うために企業年金を多めに受け取るのか、70代まで受取期間を延ばして公的年金を補うのかで、選び方が変わります。
そこで年齢ごとに、
生活費-給与・公的年金などの収入=不足額
を出してみます。
60~64歳は再雇用給与で生活費を賄えるなら、企業年金を早い時期から多く受け取る優先順位は下がるかもしれません。
反対に、再雇用後の給与が大きく下がり、60代前半から毎月の家計が赤字になるなら、その期間を企業年金で補う方法も考えられます。
「10年か20年か」と年数から決めるより、
自分は何歳から何歳まで、収入を補いたいのか。
こちらから考えるほうが、退職後の生活につながります。
併用なら「今使うお金」と「後で受け取るお金」を分けてみる
一時金と年金の併用を選べる制度なら、単純に「半分ずつ」にするとは限りません。
お金の使い道から分ける方法もあります。
たとえば、
退職直後に住宅ローンの返済や60代前半の生活費として500万円を確保したい。
その分は一時金で受け取る案を検討する。
残りは65歳以降の生活費を補いたい。
こちらは年金として受け取る案を比べてみる。
こんな分け方です。
最後に、全額一時金・全額年金・併用を同じ表へ入れてみましょう。
| 確認項目 | 全額一時金 | 全額年金 | 併用 |
|---|---|---|---|
| 受取総額 | |||
| 一時金額 | |||
| 年間年金額 | |||
| 受取開始年齢 | |||
| 受取終了年齢 | |||
| 退職所得控除 | |||
| 公的年金との重複期間 | |||
| 給与との重複期間 | |||
| 退職直後に使う予定額 |
数字を入れていくと、「税金が少ない受け取り方」と「自分の生活に合わせやすい受け取り方」が同じかどうかも見えてきます。
そこまで比べてから決めても遅くはありません。



ここまで読んだら、まず何から手をつければいいですか?



最初に会社の資料で、一時金・年金・併用のどれを選べるかと、それぞれの金額を確認しましょう



その次は?



60代前半の給与と65歳以降の公的年金を、年齢順に並べます。
そのうえで全額一時金・全額年金・併用を比べる。
この3段階まで進めれば、自分が税金を詳しく確認したいパターンも絞れます
まとめ|退職金は税金と受取期間を同じ表で比べる
退職金の受け取り方を考えるときは、最初に勤務先の制度を確認します。
一時金、年金、併用のうち、自分が選べる方法を整理しましょう。
次に、一時金額、年間年金額、開始年齢、受取期間を書き出します。
一時金を選ぶなら勤続年数と退職所得控除、企業型DCやiDeCoなど別の一時金も受け取る予定なら、その金額と受取年も確認。
そのうえで、60代前半の給与、65歳以降の公的年金、企業年金を年齢順に並べてみます。
全額一時金、全額年金、併用。
3つを同じ表へ入れると、「どれが得か」より先に、自分はどの時期に、どのくらいのお金を受け取りたいのかが見えてきます。
税金と受取期間、そして退職後に使う時期。
この3つを重ねて比べると、自分に合う受け取り方を考えやすくなります。


よくある質問
一時金のほうが税金は必ず少なくなりますか?
一時金は退職所得控除を使え、課税対象となる退職所得も原則として控除後の金額の2分の1で計算します。
そのため税負担を抑えやすい場面は多いものの、企業型DCやiDeCoの一時金、過去に受け取った退職金との時期が近いと、退職所得控除の計算に調整が入るケースも。
勤続年数、退職金額、ほかの一時金の受取年を並べてから比較すると判断しやすくなります。
企業年金は10年受取と20年受取のどちらが有利ですか?
受取期間が短いほど1年当たりの年金額は大きくなりやすく、長くすると毎年の金額は小さくなりやすい傾向です。
そこで見たいのが、再雇用給与や65歳以降の公的年金と何年間重なるか。
60~64歳の収入、65歳以降の公的年金、70代の生活費まで年齢順に並べると、10年受取と20年受取を税金と家計の両面から比較しやすくなります。
一時金と年金を併用できるなら、割合はどう決めればよいですか?
最初から半分ずつと決めるより、退職後に近く使うお金と、その先の生活費を補うお金に分けると考えやすくなります。
たとえば住宅ローン返済、自宅修繕、60代前半の生活費に500万円を使う予定なら、その部分を一時金で確保する案を検討。
残りを年金として受け取る案と比べ、税金、受取期間、公的年金との重なりを同じ表へ入れて判断します。
税金以外に、受取方法を決める前に確認したい負担は?
年金形式で受け取る収入は、退職後の所得状況によって住民税や社会保険料の負担にも関係します。
影響の出方は、退職後に加入する健康保険、年齢、自治体、給与や公的年金などほかの所得によって変わります(厚生労働省「国民健康保険の保険料・保険税について」)。
税額を比べたあとに、1年間で実際に手元へ残る金額も確認しておくと、一時金・年金・併用の差を生活費に引き寄せて判断しやすくなります。
国民健康保険料は前年所得を基礎に算定する仕組みです。
そもそも自分の退職金がいくらになるか分からないときは?
まず勤務先の就業規則や退職金規程、企業年金の案内を確認し、どの制度から、どの計算方法で支給されるかを押さえます。
社内資料から見込額を出しにくいときは、人事・総務へ照会する方法も使えます。
受取方法を比べる前に金額の土台を固めたい方は、「退職金はいくらもらえる? 就業規則・退職金規程・会社への確認方法」へ進むと整理しやすいでしょう。





